みなさんは東京ディズニーランドにどんな思い出がありますか? 恋人とデートした思い出ですか? それとも友達と遊んだ学生時代の青春の思い出ですか?
私は、東京駅周辺にいたのに、門前仲町・東陽町・葛西・新浦安と配達するたびに東へ、東へと流され、気がつけばレンタルの電動アシスト自転車がバッテリー切れ。自転車の返却場所までの10キロを、とぼとぼと湾岸道路を歩き、江戸川の橋を渡っているところで見えた、夕暮れ時のシンデレラ城が一番忘れられない思い出です。
みなさんお元気でしょうか。ウーバーイーツ自転車配達員のWです。
東京ディズニーランドといえば、幽霊が住み着いた屋敷を冒険する、ホーンテッドマンションというアトラクションがありますが、我々配達員にとってはホーンテッドマンションよりも恐ろしいマンションがたくさんありまして……。
そこで今回は、恐ろしいマンションの話をしようと思います。
おしゃれなマンションはトラップがいっぱい
レンタルの電動アシスト自転車を使っている私は、東京都の東側、中央区や江東区あたりを中心に配達しています。このエリアは、平坦で坂道があまりないのが特徴で、新宿・渋谷・六本木といった繁華街と比べると、自転車のバッテリーの“持ち”がいいのが魅力。
さらに埋立地エリアは、広い土地が確保しやすいからか、レンタル自転車の貸し出しポイントが多く、自転車も大量に置いてあるので、バッテリー残量の多い自転車が確保しやすい。そんなわけで、この2つの区を中心にウロウロしています。
しがないライター稼業の私には縁遠い話ですが、このあたりは最近、住宅地としても人気で、湾岸エリアに巨大なタワーマンションが建設されたり、路地が入り組む下町を区画整理して、おしゃれなマンションが建てられることもしばしば。
しかし、このマンションの「おしゃれ」の裏には、我々配達員を悩ますトラップにあふれているのです。
オーソドックスかつ一番危険なのが、1階のエントランスで見かける2~3段の階段。建築の知識がまったくない私からしたら「どうしてこんなところに段差が!」と思う、イラッとくるやつです。そもそもバリアフリーの観点から見ても、おかしいのは明らか。
しかも、こういうちょっとした段差のあるマンションに限って、照明が薄暗かったり、床に使用されている石が黒くて足元が見えにくかったり、ツルツルで滑りやすかったりと危険がいっぱい。昼間の配達ならまだしも、夜の配達での段差は、配達員殺しのトラップと言っても過言ではありません。
宅配便の配達員さんは、担当エリアが決まっているので「このマンションには、段差があるから注意しないと」と意識できますが、どこへ配達するのか分からないウーバーイーツの配達員は注意しようがありません。
この手の段差トラップにつまずいて、品物を何度こぼしそうになったことか……。