女子プロレスラーの世志琥(よしこ)が、乙女心あふれる料理やお菓子のレシピ本を出版した。所属するSEAdLINNNGでは、シングルとタッグのチャンピオンとして君臨する、トップレスラーの世志琥。

そんな彼女が出版のキッカケとなったTikTokでバズった経緯、そして早くも大きな反響を集めている、レシピ本『世志琥の極上スイーツ作りやがれ』の見どころについて語った。

「何が起きてる?」登録者激増でビビった

▲初の著作を前にご満悦の表情

――まずは、今回のレシピ本出版のきっかけとなった、TikTokを始めた経緯を教えて下さい。

世志琥 新型コロナの感染拡大で、3月の後半くらいから試合ができなくなっちゃったんです。でも、ただ家でじっとしてても仕方ないじゃないですか。そこで、今だからこそできることにチャレンジしようという話になって、TikTokで毎日動画をアップすることになったんです。

――最初からお菓子や料理作りの動画を上げていた?

世志琥 いや、最初は母親に技をかけたり、“コロナ”と書いた障子に穴を開けたりとか、いかにも女子プロレスラーらしい動画でした。反応はほどほどでしたね。ところが4月の後半からレシピ動画を上げるようになったら、一気に再生回数やフォロワーが増えたんですよ。あれよあれよという間にフォロワー数が10万人を超えて、動画によっては再生回数が100万回以上になったり。正直「何が起きてるんだ?」ってビビりましたね。

▲392万回再生された「ディズニーチュロス作るぞ」

――バズったワケですね。もともと料理やお菓子作りは好きだったんですか?

世志琥 プロレスラーになる前から好きで、いわゆるレシピ動画もよく観てました。

――とはいえ、レシピの動画を毎日更新するのは、相当に大変だったのでは?

世志琥 お菓子も料理も、バズるのは“可愛いもの”なんですよ。だけど家でクッキーを焼くことはあっても、それをクマさんや猫の形にはしないじゃないですか。

――ですよね。

世志琥 ですから動画で上げたのは、初めて作ったものが多かったです。毎日のようにスーパーに行っては、食材コーナーを見て回って、新しいアイデアを探してました。それにアップされた動画は1分くらいでも、実際に作るのは何時間もかかりますからね。それが毎日ですから、かなり大変でした。

▲表情の変化や編集も魅力的

「ギャップ萌え」には納得してない!

――そんな苦労の甲斐あって、現在のTikTokのフォロワーは?

世志琥 35万人くらいです。大半が日本人で女性が4分の3くらい。同じ動画を上げてるツイッターのフォロワーも、14万人くらいまで増えました。日本で試合をしてる女子プロレスラーの中では、一番多いそうです。

――バズる動画のポイントみたいなものはありますか?

世志琥 それが今でも分からないんですよ。手間をかけて自信満々で上げた動画が、思ったほど再生回数が伸びない場合もありますし、逆に「なんでこれが?」という動画がバズったり。でも、ここまでフォロワー数が増えたのは、コロナの自粛期間中に毎日更新を続けたことが大きかったと思います。

――怖そうな世志琥選手が、可愛いお菓子を作る「ギャップ萌え」が良かったという評価もあります。

世志琥 そこは納得できないですね。自分って、いかにも可愛いお菓子を作りそうなタイプじゃないですか!

――……ですかね。そして、こうしてレシピ本が出版されることになりました。

世志琥 凄いですね、プロレスラーなのに最初に出した本が、自伝とかじゃなくてレシピ本なんて。でも、話をいただいた時はすごく嬉しくて、気合を入れて作りました。

――メニューは、どうやって決めましたか?

世志琥 せっかく買ってくれた方のために、できるだけ動画に上げていない、新しいものを中心に選びました。あと、動画よりも本を読みながら作った方が、上手くできる料理やお菓子が多いですね。もちろん料理やお菓子作りの経験がない人にも、簡単に作れるものばかりです。

▲自宅でもすぐに作れる、濃厚イタリアンプリン