相談2:仕事のない日々が不安でたまらない
役者を目指して、はや10年。なかなか良い役がもらえず、コンビニでバイトしながら生活する日々に、大きな不安を感じています。モチベーションを維持できる、よい方法はありますか?』(36歳・役者の卵)
岸部 それは僕もわかんないんだよね。僕も不安だから。年齢的なこともあるけど、僕の場合は体調のこともあるから、いつも悪いふうに考えちゃって、心臓がドキドキするのよ。例えば『踊る!さんま御殿!!』とか『ダウンタウンDX』なんかは、とにかくスタジオに行くのが嫌なのよ。
バラエティーって時間が長いでしょ。今の僕は2時間以上座ってるのが、しんどくなってきてるから。
姉さんたちは「行かなきゃお金もらえないから、ちょっと行って、我慢して座ってればいいじゃない。仕事がない人も、いっぱいいるんだから」って言うんだけど、そんなこと言われても、しんどいもんはしゃあないよね。
まあ、僕の場合、そうやって「嫌だ、嫌だ」って思いながらも、今まで仕事がもらえてるんだから、恵まれてるわね。
仕事がないときは、そりゃ僕も不安だよ。でも、待ってる以外にないもんね。僕は自分で営業って、しないから。
だから、電話がかかってこなきゃ、ず〜っと休み。で、家にいて眠いときは、まだいいんだけど、寝れないときは「ハッ!」ってなって「このまま永遠に仕事がこなかったら、家賃どうやって払おう?」とか思うのよ。そうすると、また不安で胸が苦しくなってくるワケ。
そうしてるうちに「でも、今までやってこれたじゃない。そんなピタッと仕事が来なくなるっちゅうことはないだろう」っていう声が聞こえてきて「ああ、そうだな」と自分で言い聞かすんだけどね。
この相談者は、10年やっててまだ芽が出ないんでしょ? はっきり言うて、僕だったら辞めるね。僕は仕事があったって辞めたいんだからさ……。
それに、チャンスっちゅうのは運命的なもんだから。こればかりは狙って当たるもんじゃない。だから、この人も、この先、運命の転機が来ないとは言い切れないけどね。
あとは、本人のルックスとか容姿の問題もあるでしょ。やっぱりルックスっちゅうのは武器として大きいよ。強烈な個性がある人なら、個性派俳優の道で生き残っていく手もあるけどさ。
そういう意味じゃ、僕なんかは、“元気のないタレント”で売ってるからなぁ。