「いい波に乗れている」と実感した“ある秋の夜長”
ちなみに会場の草月ホールは、普段でもゆったりとした空間で、非常に観劇に適しているのだが、今回は感染拡大防止のために、客席の50%を空けての開催。その空いた席には、会場に来られない方からのメッセージボードが置かれている、という2020年秋ならではの景色が広がっていた。そういう特殊な環境下での舞台に立てる、というのも貴重な体験だ。
ホーンテッドマンションで巻き起こる物語の中で、鈴木萌花は「座敷童子」役を熱演。役名だけ聞くと、なかなかトリッキーだが、舞台の前半では、さまざまな物語の設定を説明する狂言まわし的なポジションも兼ねた、なかなか重要な役柄である。
「大変でしたけど、前回よりも楽しんでできました! やっぱり一度、経験をしておくっていうのは、ライブでも舞台でも大事なことなんだなって思いました。1人で千秋楽まで完走できたことで、共演者のみなさんとコミュニケーションを取る、という部分でもたくさん勉強できました」
ちなみに出演者はすべて女性で、その中には劇団員だけでなく、元AKB48のメンバーや元アイドリングのメンバーも名前を連ねている。たしかに勉強できることは山ほどあっただろう。ただ、千秋楽まで無事に完走できても、それは鈴木萌花にとって「ゴール」というわけにはいかなかった。
千秋楽は昼夜2回公演。だが、10月4日は「TIF(トーキョーアイドルフェスティバル)」がオンラインで開催されており、アメフラっシも出演する。じつは他のメンバーは、朝から佐々木彩夏のバックダンサーとして登場したり「浪江女子発組合」として出演したり、とフル稼働していたのだが、当然のことながら、鈴木萌花は舞台が終わるまで合流できない。
アメフラっシの出番は夜7時45分から。野外のLoft Stageの大トリを務めることになるが、その前の時間帯(7時25分まで)にはメインとなるHOT STAGEに、ももいろクローバーZが出演。ももクロにとって、10年ぶりのTIF出演ということで大きな話題を集めたが、アメフラっシの出番はそれよりも後、ということになる。鈴木萌花のスケジュール的な事情もあったとはいえ、これはとんでもなく重要なポジションを任された。