2021年からのキーワードは「I(=個性)」を出す

――凸も凹も、これまではどこかあまりよくないイメージがありましたけれども、逆にそれが活きてくる時代になるということですか?

yuji もちろんです! 僕がずっと言っている新時代のキーワードのひとつに「I(=個性)」を出すことによって愛を受け取る」というものがあるんですよ。つまり、凸でも凹でも、結局は「I(=個性)」を出さないことには、いったい自分が何者で、どういうものが好きで、どこに属したいか、はたしてどういうことがしたいのか、分かりませんよね? つまり、分かってもらわないことには、結局はまわりも助けようがないし、ピックしようもないんです。

ですから、先ほどお話に出た「NEW ME」Tシャツにしても、僕が「作ってくれませんか?」とお願いしたわけではなくて「New me」「New me」と話していたら、その言葉にインスピレーションを受けて、自発的に作りはじめた人が出てきたんです。そして、横のつながりの拡散にうまく乗り、勝手にバズった。そして、Tシャツを作成した当人は販売人となって、今、彼女はさらに新しいラインナップの拡充等を頑張っているわけです。

――「I(=個性)を出す」ということが、新時代のテーマになるのでしょうか。 

yuji それこそがテーマなんですよ。実際に、2021年からのサバイブ戦略というか、もはや生存戦略において、もっとも重要なのがI(=個性)を出すこと。今までは、どちらかといえば、個性を出すことは社会・会社・組織においては、なんとなく封印といいますか、むしろ「公私混同するな」という面があったと思います。

しかし、むしろこれからは「Let’s 公私混同!」(笑)。そういう時代になっていくんです。今までは、あえて声を大にして言いますけど、了見の狭かったこの縦社会においては「情報漏洩したらどうするんだ!」とかなんやかんやで、外の世界のものが入ってくることが許されなかった。

ところが、このコロナの影響で、大企業でも「テレワークOK」「リモートOK」、さらには「副業OK」となっていき、あの売り上げが日本一の某T自動車さんですら「終身雇用は難しい」と言い出したわけですよね。つまり、日本で一番大きな会社ですら、自分の定年までの雇用を守ってくれないかもしれないとなれば、当然それ以下の会社はどうなるんだ、と。

▲終身雇用の時代は終わりつつある イメージ:PIXTA

――確かに、コロナの影響もあって終身雇用の時代は終わりつつあります。

yuji だからこそ、これを機にいろいろなところとつながっていく、リンク社会になっていくべきなんです。つまり、これが「縦」から「横」へということ。ですから、極端にいえば「まだ鍵アカやってます」「自分を出せません」なんていうのは、もったいないですよね。もちろん、全員がインスタグラマーやティックトッカーになれ、ということではありませんが。

――自分のやり方に合った「I(=個性)」の出し方、ということですよね。とはいえ、やはりSNSの力は大きいですか?

yuji 大きいと思います。でも、必ずしもSNSでなくてもいいんですよ。自分が直接SNSを使っていなくても、たとえば有名なインフルエンサーを介して、自分の商品がバズるかもしれない。そう、別にSNSをやってなくていいんです。

でも、わざわざ守りに入って、囲うようなことはしなくていいですよね、ということ。知ってもらう努力は必要だと思います。ただ、知ってもらう努力をするのであれば、最近さすがにガラケーの人はあまりいらっしゃらないと思うので「せっかくスマホというツールがあるのに、何で使わないの?」とは思います。