結果を出す人は「決断」に迷わない
「即断即決」――。できる人ほど、判断のスピードが速いものです。決断が遅れれば、すなわちそれは、物事を成し遂げる時間が余計にかかってしまうということになります。
誤解を恐れずに言わせていただければ、たとえ間違った決断をしたとしても、選択をせず、行動しないよりははるかにマシです。もし、間違った決断を実行してうまくいかなかったとしても、それを改善する方法を考えられれば、それは結果を生み出すことにつながります。
また、決断はしっかりと時間をかけるべきだという風潮がありますが、ある著名な心理学者は「今決断しても、先延ばしして決断しても、アウトプットの質は変わらない」とおっしゃっていました。
私自身もそう思いますが、これを参考にすると、やはり判断のスピードは速ければ速いほどいいのです。
神学者で哲学者のチャールズ・キャロル・エバレットは、こう語っています。
「迅速に決断し、行動できるように自己訓練しておくことを、誰しも心がけるべきである」
多くの人が、決断に迷います。決断をするということは、その他の選択肢を捨てるということにつながり、手放す勇気が必要になるからです。人は、何かを手にすることには好意的ですが、何かを失うことは極端に嫌がります。
しかし、物事を前に進めるには、足し算ではなく、引き算をする考え方が必要です。物事は、シンプルにしたほうがいいのです。
たとえば、結果を出せない人ほど足し算で仕事をし、結果を出す人ほど引き算で仕事をします。できない人は、あれもこれもと手を出しておいたほうが、得られる結果が増えるだろうと考えているのでしょうが、結局何事も成し遂げられないのです。逆に、結果を出す人は、やることを絞り、集中します。
多くの人がスパッと決断できず、グズグズと判断を先延ばししてしまうのは、自分のミッションが定まっておらず、目標達成へつながる選択とはなんなのか、ということがわからないからだと私は考えています。
価値観を明確にするためには、自分のミッションがなければなりません。ミッションとは、あなたの使命です。言い換えると「なんのために生きるのか」「自分の価値とはなんなのか」ということになります。
私のミッションは「国民に愛される歯科医になる」ということです。「どの道を進むのか」「その道を進むときに、どの道具を使うのか」という選択の繰り返しで目標は達成されます。
決断のスピードを上げる秘訣こそ、ミッションを明確にし、決断に迷わないことなのです。ミッションが決まればすべての選択は、即断即決になります。
なぜなら「この選択は、ミッションの達成につながるか、つながらないか」という明快な基準に従って、シンプルに行動を選択するだけでいいからです。つながることは、必ず選択し実行する。つながらないことは、ムダなことだから選択しない、実行しない。
やってのける人の決断のルールは、これに尽きるのです。
また、ミッションに従ってやると決めた行動は「自分の強みを生かせること」や「自分が社会的に貢献できること」であることが多いので、常にモチベーションを生みだしながら達成へ進むことができます。
人は得意なことには、やる気を出すことができるのです。結果も出るので、それは巡り巡って、経済的な自由にもつながります。
選択は、ミッションに照らし合わせながら行なっていきましょう。