ランチタイムにブラインドタッチでの長文クレーム

▲長文のクレームを受けることも イメージ:PIXTA

クレームがあるときほど、丁寧に仕事をするというのも一つの対策法です。最近はテレワークが増えたため、注文が減りトラブルが減ったのですが、コロナ前はランチタイムに「早く配達しろ! 昼休みが終わる!!」といったメッセージがスマホによく届いていました。

特にIT系の企業に勤めている方は、キーボードの操作に慣れているのか、恐ろしいほどの長文クレームを、4~5分に1回のペースで怒りをぶつけてくることも。

そんなメッセージが届いた時は、まず前後を確認し、安全な場所で自転車を停車させます。そしてスタンドを上げて自転車を邪魔にならない場所に停めてから、スマホの画面にあるメッセージを確認し、現在の状況を懇切丁寧に説明した長文を打ち、推敲を重ねてから送信。その後、自転車で配達先へと向かいます。

すると、注文アプリで配達員の現在位置を見ていたお客様から「GPSを見ていたけど、10分ぐらい止まっていたじゃないの! 急いでるって言ったでしょ!!」という、大変お怒りの様子のメッセージが届きました。

これを確認したら、先ほど同様に自転車を停めてこう打ちます。「メッセージを返す際は、自転車を停めて作業しないといけないので……。注文者様の声に対しては、しっかり説明しないといけないと思い、文言を考えていたら時間がかかってしまいました。自転車をこぎながらメッセージを打ってしまうと道路交通法違反となるので、申し訳ありません」と。

▲丁寧にメールを返信します

このようなやりとりをすると、ほとんどの人が諦めてくれるのですが、一度だけ「このあと13時30分から会議があります」という返信をしてくる方がいました。「それは、信号無視をしてでも、早く届けろということですか?」と返すと「13時30分から会議がある、という事実を伝えただけです」とのこと。

文章のやりとりは残ります。そこに強要したという証拠を残したらアウトです。パワハラする側にもテクニックがあるんだなと感心しました。

到着時刻が遅くなり「プロとして失格だ!」とおっしゃる方には「プロではない!!」ということを遠回しに伝えるようにしています。

アルバイトでもなんでもそうですが、仕事の現場でよく言われるのが「お金をもらっているんだから、プロ意識を持て」という言葉。ですが「アプリをオンにしたらいつでも仕事が始められて、オフにしたらいつでもやめられる」「配達依頼が来ても自由に拒否することができる」このようなウーバーイーツ配達員の働く環境は、プロが育つ環境ではありません。

▲口答えをするたびにBAD評価 イメージ:PIXTA

しかも注文者側には、毎月980円を払えば配達料が無料というサブスプリクション制度があります。月に10回頼んだとすると、そのお客様が払っている配達料は1回あたり98円。金額は問題ではないかもしれませんが、それしか出していないのにプロ意識を求めるのは、乱暴な考え方のような気がします。

そんなわけで、プロ意識を言ってくる方には「だったら、それに見合う配達料をよこせ!」と言いたいところですが、火に油をそそぐことになるので「すみません。自由に働ける、ゆるい労働条件なもので……」と、やんわりとプロでないことを宣言しています。

まぁ、そういったやりとりの後には必ず、配達員評価にBADがつくんですけどね……。

そんなゆるい労働条件の中やっていますが、基本、配達中はお店までできるだけ早く向かって、商品を受け取ったら、できるだけ早く届けるようにしているので、お腹が空いてイライラするのはわかりますが「商品がこぼれている!」以外のクレームを、配達員につけないでいただけると助かります。

『アラフォーUber Eats配達員 激走日記』は、次回12/11(金)更新予定です。お楽しみに!!