若々しく元気に生きていけるのも免疫力のおかげ
免疫の働きとしては、まず「感染の防御」があります。しかし、それだけではありません。免疫にはあらゆる病気を防ぐ働きがあります。
たとえば、人の体内では毎日3000個から5000個もの、がん細胞が出現しています。多い人になると、およそ1万個も発生していると推測されます。けれども、すべての人ががんになるわけではありません。それを決めているのも、免疫力です。
体に備わった免疫システムが、毎日現れるがん細胞を見張っていて、それを攻撃してくれているおかげで、がん細胞が増殖してがん組織に育つことが防がれています。反面、その力が弱まれば、がん細胞の成長を許してしまうことになります。
つまり、がんとは、免疫力の低下が引き起こす病気です。いいかえれば、免疫力を強い状態に保てている人は、がんにならない、ということになります。
また、疲労や病気などの回復を早める働きもあります。人が病気になっても、それを治すことができるのは、免疫が働いているからです。免疫には、細胞の生まれ変わりである新陳代謝を活発にし、体の機能の低下や、細胞や組織の老化も防いでいます。
さらに、免疫力が高ければ、うつ病など心の病気になりにくいこともわかっています。
以上をまとめますと、免疫の働きには「感染の防衛」のほか「健康維持」と「老化予防」があることになります。
これはすなわち「生きる力」とも表現できるでしょう。
免疫力とは、まさに生きる力です。これが高い人ほど、新型コロナウイルスなどの病原体の攻撃を防げますし、がんやうつ病などになることもなく、若々しく元気に生きていくことができるのです。