「いくら寝ても疲れがとれない」「インターネットで病気の記事を目にするとドキッとする」――誰しもそれぞれ身体に関する悩みを抱えているもの。そして、いま多くの人が「免疫力を上げなければ!」と思っていることだろう。では、いかにして「免疫力」をアップさせたらいいのか? 頼りになる名医・今津嘉宏氏が、その方法と病気予防に役立つ情報を伝授する。
※本記事は、今津嘉宏:著『最強の免疫力』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。
「免疫」がもつ代表的な5つの働き
そもそも、「免疫力」とはなんでしょうか?
一般的に広く浸透した言葉ではある一方で、しっかりと意味を説明できる方はおそらく少ないのではないでしょうか?
「免疫」とは細菌やウイルスなどがからだに侵入してきたときに、それらの外敵とたたかって退治し、からだを守る働きのこと。ゆえに、「免疫」の力、すなわち「免疫力」が強いほど、からだを守るための働きが強く、外敵から自分を守ることができるわけです。
さらに、「免疫」の働きをもう一歩詳しく説明しましょう。数ある働きのなかで、代表的なものとして以下が挙げられます。
疲労回復のみならず、病気や傷を回復させ、ストレスに強いからだを作ります。肩こりや腰痛など、からだの不調の予防や改善をします。
②老化や病気の予防
新陳代謝を活発にし、からだの機能低下や細胞組織の老化などによる病気を予防します。肌荒れを防ぐなどの美容に関する効果もあります。
③感染からからだを守る
風邪、インフルエンザなどの細菌・ウイルスやカビ、寄生虫などの外敵からの感染を予防します。
④抗体を作る
ウイルスに対抗する抗体〔体内にウイルスや細菌などの異物が入り込んだときに反応し、体から追い出すためにできる対抗物質〕を作ります。はしかやおたふく風邪に再びかからないのは抗体ができるためです。
⑤がんなどを予防する
からだのなかで変異したがん細胞を見つけて攻撃し、排除します。つまり、体のなかにできた敵から身を守る力です。
感染から私たちを守ってくれている「免疫力」
これだけでも、「免疫力」がいかに重要な役割を果たしているか、改めてお分かりいただけるのではないでしょうか。
とはいえ、気になるのは、「どうしたら、免疫力が強くなるの?」という、その具体的な方法だと思います。巷には、免疫力アップをうたう健康法は数多く、きっとみなさんもいくつかを試したことがあるかもしれませんね。
ここで注目していただきたいのが、先に挙げた代表的な免疫の働きの一つ、「③感染からからだを守る」です。冬になるとかならず風邪を引いてしまう人がいる一方で、私のように年中風邪知らずの人もいますね。その違いは何なのか?
それは、「免疫力」が強いか弱いか、ただ一つです。
つまり「最強の免疫力」が備われば、風邪を寄せ付けません。漠然とした「免疫力」という言葉も、みなさんにとってなじみ深い「風邪」と結びつけると、一気に具体的なイメージが広がるのではないでしょうか。事実、風邪を防ぐ方法には、免疫力アップの方法と重なる部分が非常に多いのです。
だからこそ、ここでは改めて風邪の予防方法をお伝えし直すことで、みなさんの「免疫力」アップの手助けをできたらと思います。
「なんだ風邪か」と軽んじることなかれ。風邪を引かないことは、健康で若々しく生活を送れる人間であることの証あかしなのですから。