さすが立ち飲み激戦区、2軒フラれてもまだ見つかる

東神奈川という駅で降りました。行きたかった店があったんですが、ひとつは満員で入れず、もう一軒は店自体がなくなっていた。夜の町の至る所にコロナの影響を感じながら、寂しい気持ちで寒空の下を歩いていたら、なんだか温かいものが食べたくなったんです。そういえば来る途中にラーメン店があったなと、はたと思い出し。私たちは歩みを早めました。

▲溶き卵を入れた川崎式担々麺発祥の店

「ああ、これこれ」
「入ろうか」

でもね、一緒にいたオジマと私は、なんだか納得のいかない思いを抱えているわけです。飲みに来て一軒目からラーメンなんて、フレンチのコースでいきなりデザートが出てくるようなものじゃないか。前菜をいただいて、ワインを飲んで、最後にあまいものが出てくる。この一連の流れが大事なのではないかと。

つまりだ、ラーメンの前に軽く一杯飲みたいなと。

▲飲んべぇを誘うショーウインドー

そうしたら、まさに隣に立ち飲み屋があったんです。飲んだ後にラーメン。なんという甘美な響きなんでしょうか。私は40歳を過ぎてから、めっきり深夜のラーメンと縁遠くなりました。だから久しぶりに食べたいと思ったんです。面倒だけど、酒→〆というルーティンを踏まえないと、シメのラーメンという背徳プレイは成立しないんです。

▲敷居の低さがまたいいんです

さてこちらのお店、昼間は弁当や食事メニューを提供しているようです。立ち食いでカレーなんていいじゃない。こういう店は、惣菜が充実していて、酒とマッチするつまみがあるからいいんです。早速入ってみましょう。

▲店内に入ると目を引く立ち飲みののれん

カウンター席に常連らしきお客さんがちらほらいますね。みんな手慣れた様子で思い思いに酒を飲んでいます。とりあえず、いつものチューハイをオーダーしましょう。今回はさ、隣のラーメンが目的地ということで、軽くね。軽くだよ。

▲一人飲みにちょうどいいサイズ

チューハイとやまかけを頼みました。さすがに酒だけってわけにはいかないから、いくつかつまみを注文したんですが、ぜんぶお手頃価格で、つまみの量も1人前でちょうどいい。やまかけをつまみに、クイッとチューハイをあおったら、さらに小腹が減ってきました。

▲揚げたてサクサクをチューハイで流し込みます

ああ、どうしよう。グラタンコロッケという美味そうなものを見つけてしまった。チューハイ、やまかけ、コロッケ。宇宙食にしてもいいくらい、バランスのいいオーダーをしてしまったんだけど、これで酒が進まないわけがないんです。さてさて、どんどん飲みましょう。誰だい、軽く一杯なんて言ってたのは。