マック地蔵と客待ち中のタクシーは同じ

▲風物詩と化した「荒れる成人式」 イメージ:PIXTA

果たしてこういった問題はなぜ起きるのか? 配達中にペダルを漕ぎながら考えた私なりに結論は「単純に人が増えたこと」でした。個人的見解なのですが、集団が大きくなれば、マナーを守らない人が一定の数出てくるのは当然なのではないでしょうか。そして、その一定数の人間というのはいなくなりません。

例えば、今では新年のニュースの定番の特集となっている荒れる成人式もそう。「若い人はエネルギーが有り余っているから仕方ない」という見解の方もいらっしゃるかもしれませんが、この成人式の特集が始まってから10年以上は経過しています。

荒れる成人式の映像を、子どもの頃から見て「けしからん!」というコメントを聞いて育っても、結果、荒れた成人式はなくなりません。というか、毎年毎年放映されることで「度が過ぎたパフォーマンスをすればテレビに映れるかもしれない」と、一部の人間を喜ばせている可能性すらあるのでは、と私は考えます。

▲あまり報じられることのないタクシーの客待ちと本質は同じ イメージ:PIXTA

話をウーバーイーツに戻すと、マクドナルドで“たむろ”する配達員についても問題となっていますが、配達員の数が増え、生活のために稼がなければならないのなら、注文依頼の多いマクドナルドの周辺で注文を待つのは致し方のないこと。路上喫煙などは言語道断だとは思いますが、繁華街の狭い路地で客待ちをしているタクシーとなんら変わりはありません。

新しい働き方であるということ、そして大きなバッグを背負うというスタイルが目立つため、ウーバーイーツは世間から非難を浴びる対象となりがちです。確かにマナーの悪い配達員は問題ですが、世の中には善人も悪人もいます。それと同じなのではないでしょうか。「ウーバーイーツ配達員」といったカテゴリーで、ひとくくりにして非難するのは違うのではないかと感じております。

まぁ、テレビ番組は視聴率、ネットニュースは閲覧回数が稼げればOKという世界なので、問題の根本を解決しようという取り組みをすることはないと思いますが……あ、こんなことを書いたらライターの仕事がなくなっちゃいますね。

いつもと違うトーンになってしまったので、最後に先日体験したエピソードを。先日、原宿近辺で配達中、最短ルートである竹下通りを通ると、通行する人が多く時間がかかりそうだったので迂回して配達したら、GPSで私の位置を逐一チェックしていたお客様から「遠回りして小銭稼いでんじゃねぇ!」とお叱りを受けました。トホホのホ。

またよろしくお願いします。

『アラフォーUber Eats配達員 激走日記』は、次回12/25(金)更新予定です。お楽しみに!!