〝ももクロの妹分〟として早くから注目を集めるも

2010年代は『アイドルの時代』だった。

AKB48が“国民的アイドル”と呼ばれるほどの大ブレークを果たしたことをきっかけに、数多のアイドルが台頭。その様相は「アイドル戦国時代」と謳われ、そこから抜け出したももいろクローバーZは「叶うはずのない夢」として掲げてきた「紅白歌合戦出場」と「国立競技場での単独コンサート」という大目標を、わずか数年のうちに達成してしまった。国立競技場でのコンサートには「女性グループとして史上初」という称号までついた(この2週間後にAKB48も国立競技場に到達している)。

まさに平成の「アイドル黄金時代」だった。

時は流れて、2020年。

まだまだ48グループやももクロも元気だし、乃木坂46、欅坂46、日向坂46と新たなアイドルが続々とブレイク。モーニング娘。を擁するハロー!プロジェクトも根強い人気を誇っている。

とはいえ、世間一般を巻きこんでの一大アイドルブームはひと段落した感がある。

そして、2018年から2019年にかけてはたくさんのアイドルが解散していった。

ちょうど平成が終わるというタイミングもあり、多くのグループが活動にピリオドを打った。「アイドル戦国時代」から活動してきたグループにとっては、10年という区切りの年でもあり、それが解散ラッシュに拍車をかけたことは間違いのないところだろう。

ただ、繰り返しになるが、まだまだアイドル市場は元気なのである。

今回、この『NewsCrunch』の立ち上げに際して「これから来そうなアイドルの連載をお願いしたい」というオファーがワニブックスからあった。

これから=2020年代。

アイドル戦国時代から10年が過ぎ、改めて「次の10年」を考えたときに、どのアイドルを取り上げるべきなのか?

そこはものすごく悩んだ、と書きたいところだが、実際にはすぐに一組のアイドルグループが頭に浮かんできた。

それが『アメフラっシ』である。

彼女たちは2018年11月にお披露目されているので、グループ歴はまだ1年ちょっとと浅い。

しかし、アイドルとしてのキャリアはかなり長い。

というのも、前身のグループである『3B junior』が2014年11月に結成されているから。そこからカウントすれば、キャリアは5年を超えているし、それ以前にも芸能活動をしてきたメンバーの愛来は、もう9年目を迎えることになる。

ももいろクローバーZが所属するスターダストプロモーションから飛び出した彼女たちは〝ももクロの妹分〟として早くから注目を集めた。ももクロのドームツアーにも帯同したり、たくさんの人の目に触れるチャンスも少なくなかったのだが、26人という大所帯だったことも影響したのか、なかなかブレイクする兆しのないまま2018年に活動を休止することになる。

その3B juniorから「細胞分裂」した、という形でアイドル活動を継続することになったのがアメフラっシの5人(当時)だった。