2018年の1月からウーバーイーツの自転車配達員を初めた私ですが、昨年の2020年は、とても特殊な年でした。コロナの影響で3月頃から注文依頼が急速に増えたかと思ったら、ゴールデンウイーク中に配達員が激増したために依頼数が激減。

さらに、新しくウーバーイーツの配達サービスを利用する店が増え、路地やビルの中にあるテナントを探すのには一苦労しました。そのなかには少しでも売り上げを伸ばそうと、ビル全体が休業にもかかわらず厨房を稼働させ、ウーバーイーツでのテイクアウトだけ営業している飲食店もあり、配達員用のアプリに「ビル休館中につき、業務用の入口前でお待ちください」なんて指示を受けたことも。

一方、配達員にとって、ウーバーイーツ新規参入店は恐怖でしかありません。というのも「持ち帰り用の容器だったら何でもいいだろ」くらいの感覚で、フタがユルユルの容器に汁物を入れる店が続出したのです。そんなわけで今回は、新たにウーバーイーツを始めたお店で体験した、ヤバいブツをいくつか紹介します。

焼き立てのパンの香りが台無しに・・・

▲クサイ料理にご用心 イメージ:PIXTA

地味にヤバいのは、カレーやニンニク系の炒め物など、ニオイの強い料理。こういった料理は温かいものが多いので、水蒸気を逃すための小さな穴が蓋の上の部分にあります。料理が冷めてはいけないので、リュックの中は密閉状態。すると、必然的にカレーやニンニクの匂いが充満します。

もちろん、これだけなら別に問題ないのですが、この配達の直後に焼きたてのクロワッサンやパンケーキを運ぶ依頼が入ると悲惨。昨年、焼きたての食パンが人気の店からの配達の後にBAD評価を受けたのは、おそらくカレー風味の食パンを配達したからに違いありません。

また、早朝の配達もいちいち危険を伴います。東京都内では、ウーバーイーツの注文が朝7時から始まる店が多いのですが、朝7時から9時ぐらいまでに入ってくるカフェからの注文がマジでヤバい。

ご存知の方も多いと思いますが、ウーバーイーツの自転車配達員は。大きなリュックに商品を入れ、自転車を漕いで運びます。各配達員は、自前で仕切り板を用意して商品が倒れないようにしたり、支給されるリュックとは別に小さな保温バッグを購入して、配達中の振動やリュックの傾きで飲み物がこぼれたり、商品が容器から飛び出してしまわないよう、個人で工夫して運んでいます。

▲見た目がオシャレなのはいいものの…… イメージ:PIXTA

ところが、朝、営業しているカフェの中には、オシャレにものすごく力を入れているところがあります。そういうお店では、持ち帰り用の容器にもこだわりがある。それはそれで結構なことなのですが、経験上、こだわった容器ほど、運んでいる時にフタがパカっと取れてしまうことが多い。そんな容器に「素敵な朝をお迎えください」のような、お客様へのメッセージカードを添えられていたら超激ヤバ。

以前、メッセージカード付きのホットサンドを運んだとき、カードがチーズまみれになったことがありました。ユルいフタにセロハンテープでちょこんと止められただけのカードなんて……もちろんお客様より「商品が破損していた」との理由でBAD評価を受けました。

ちなみに、スターバックスさんなどの大手チェーンも、ウーバーイーツのサービスを始めた当初と比べて、包装の技術が格段に上がっているので、オシャレなお店も今後は、こだわりをキープしつつ、こぼれない容器を考案されるだろうと思います。