青山で秘密裡に営業する穴場
「お好み焼きが美味しいワインBARがあるんですよ。行きましょうよ」と友達から誘われた。
意外性のある組み合わせにグッときた。骨董通り沿いにある『赤い部屋』という店らしい。店の中が真っ赤なのだという。興味しか湧かないので、早速ひとりで行ってみることにした。
最寄りの駅と思われる駅からは少し遠い。ちょっとした隠れ家的な位置にあるお店。
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しかもビルの地下なので、なかなか見つけられなかった。真っ赤なお店のイメージとは全然違う黒い壁のビル。どうやら、ここらしい。黒板に赤い部屋とある。
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階段を途中まで下りると「お好み焼き×ワイン×レコード」という看板を見つけた。ここだ。
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黒い細い階段を降りて行くと、黒いドアが一つ。僕が思うに、良いBARっていうのは最初、入るのがちょっと躊躇してしまうもの。同じ匂いがする。
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ドアを開けると真っ赤な部屋が目に飛び込んできた。赤と黒のエクスタシー。昔見た映画『天と地と』を思い出す。たぶん僕だけだろうけど。
店内には気持ち良い音量でJAZZが流れていて、今かかっているレコードのジャケットが飾られている。
レコード棚には古いレコードがいっぱい。店員さんがその都度選曲してかけている。カウンターに座って、メニューを見ると、お好み焼きやら焼きそばなどワインBARではあまりお目にかからないメニューが並んでいる。
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箸置きはマヨネーズの形をしていて、コースターはレコード。壁は真っ赤。
コンセプトがしっかりしている。とりあえず、お好み焼きとビールを頼む。お好み焼きは45分かかるらしい。
そこで少し店員さんとお喋り。ブルーノート東京というJAZZを聴きながらご飯を食べれる老舗のJAZZクラブで、15年くらいワイン担当をやっていた女性で、ワインの知識は一流。全てお任せしておけば間違いなくおいしいワインにありつける。
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まぁ、それだけなら普通の素敵なBARなんだけど、ここには他のBARにはない鉄板があるんですね。
「BARなのに珍しいですね」と聞いてみると「ここはお好み焼き屋で、(たまたま)ワインが飲めるんですよ」と、鉄板で料理をしている男性の店員さんが冗談っぽく喋ってくれた。
ワイン担当の女性と、料理とレコード担当の男性が独立して、2人で店を始めたんだそうだ。