2020年6月にYouTubeに投稿した“自衛隊体操”の動画が「マジで全身が筋肉痛になる…!」と300万回も再生され、話題となったのが元自衛官タレントとして活躍中のかざりさんだ。今年の1月には宝島社からダイエット本も刊行し、いま注目を集めている彼女のインタビューに成功。自衛隊に興味をもったきっかけや、趣味のコスプレについての活動をお聞きしました。

※編集部より:今回の取材は2020年12月中旬に「三密」を徹底的に避けて行いました。

『ガールズ&パンツァー』を見て自衛隊に興味がわいた

――自衛隊に興味を持ったきっかけはなんですか?

かざり:幼少期から興味があったわけじゃないんです。でも、大学生の頃に『ガールズ&パンツァー』という、戦車が登場するアニメにハマりまして……。戦車のかっこよさに心惹かれて「実際に本物の戦車を見てみたい!」という思いが強くなりました。

そして、実際に駐屯地に遊びに行きました。

正直、それまで自衛隊って少し近寄りがたいイメージだったのですが、案内してくれた自衛官の方々が、とても親切でかっこよくて……。自分もこんな自衛官になりたい! と思ったのが自衛隊に興味を持ったきっかけです。

――大学はデザイン学科に通っていたんですよね?

かざり:そうですね。高校も美術系の学校で、大学も美術系の大学に進学しました。その頃は漠然と「将来はデザイナーを目指そうかな」と思っていました。

でも、駐屯地に行って自衛官の方とお話ししてからは、頭の中は自衛隊のことばかりでした。その後、予備自衛官補を経験した後、入隊しようと決意を固めました。

――入隊後のことについて聞かせてください。自衛隊に入隊してからは、どのような訓練をしたのですか?

かざり:自衛隊と聞くと、常にキツい訓練をしているイメージを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。自衛隊では入隊してすぐ、教育隊というところで教育を受けます。

陸上自衛隊では、教育が前期教育と後期教育に分けられています。

前期教育では、自衛官の基礎となる教育を受けます。敬礼や行進などの基本教練・体力練成・戦闘訓練・射撃訓練などです。たぶんこれが、みなさんが想像している「自衛隊」のイメージだと思います。

前期教育終了後、後期教育で各職種の専門的な知識の勉強をします。その後、各部隊に着隊し任務につきます。

――そうなんですね。自衛隊に入って辛かったことはありますか?

かざり:「大腿骨頭壊死症」という病気になってしまったときですね。部隊にもすごく迷惑をかけてしまいましたし、私ができない分を誰かに代わりにやってもらわないといけないという状況でした。

「なんの役にも立てない私が自衛隊にいる意味ってあるのかな……」と、あのときは辛かったです。

教育隊での訓練もキツかったですけど、いま辞めたらこれまでの努力も無駄になるし、キツいのはみんな一緒だから、という思いで乗り切りました。

でも、もちろん「自衛官になって良かったな」と思ったこともあります。

いろいろあるのですが、一番嬉しかったのは、子どもたちに手を振ってもらえた瞬間ですね。すごく嬉しかったです。この子どもたちの笑顔を守るためにも、さらに気を引き締めて頑張らねば! という気持ちになりました。