一瞬の気のゆるみが命取り!?
SNSでの繋がりがカンタンになっている時代、長いこと配達員をやっていますと、配達員同士の繋がりというものがそれなりにできてきます。そんなわけで、今回は他の配達員から聞いた、恐怖のスポットをいくつか紹介します。
京都で自転車配達員をやっている友人のAくんに「配達していて怖い場所」を聞いたところ「山科の峠道ですね」と即答されました。
京都が盆地であることは知られていますが、京都市内に2つの盆地があることはあまり知られていません。GoogleやYahoo!の地図ページで、京都駅や隣の山科駅を調べても気がつかない人がほとんどです。しかし、地図ページの表示機能を「航空写真」に切り替えると、山科駅周辺が京都駅周辺とは別の盆地であることがわかります。
そう、2つの盆地の間には峠が存在するというわけ。
京都駅と山科駅は、地図上では5キロ程度と大きく離れていないため、京都エリアのウーバーイーツの配達範囲には、京都駅周辺も山科駅周辺も含まれます。そんなわけで「峠越え」の配達注文が入ってくるのです。
京都と山科を結ぶ道はいくつかあるそうですが、回り道をすると大きな時間のロスとなり、お店やお客さんからBAD評価を受ける可能性大。そこでAくんは、最短距離の峠道を選んで行くそうですが、なかでも一番厳しいのが「国道の一本裏側にある峠道」とのこと。
アップダウンももちろん厳しいですが、この峠道の一番怖いところは、街灯がないために陽が落ちると真っ暗になることだそう。さらに、国道の渋滞を避けるための抜け道として使うドライバーも多く、夜の配達では「一瞬でも気を抜いたら命の危険がある」のだとか。
できることなら避けて通りたい道ですが「山科にガッツリ系料理の人気店があって、その店から京都駅方面への注文が多いんだよね。ガッツリ系のものを頼むのって夜でしょ。だから、この峠道を夜に通らなければ仕事にならないんだよね……」とこぼしていました。
ちなみに、坂道を楽に登ることができる電動アシストタイプの自転車の配達員にとっても「バッテリーの残量が一気に減る峠」として知られているそうです。