配達員が迷い込む墓場の秘密
一方、瀬戸内海地方の某エリアの配達員Bさんに聞いた恐怖スポットは「墓場マンション」。墓地のなかにポツンとマンションが建っている様子を想像してしまいますが、マンション自体は墓地とは関係のない丘の上に建っているとのこと。
ではなぜ「墓場マンション」と呼ばれるのか。それはマンションへ向かう道にあると言います。
詳しく聞いてみると……。
「このマンションへとつながる道がわかりにくく、初めて配達する人だと、なかなか見つけられない。そのため、1本先の道を曲がってしまう配達員が続出。間違えて曲がると、それは墓地へと続く急な下り阪。一度墓地に入ると、地図アプリを見ても自分が今どこにいて、どちらの方向へ進んでいるのかを把握するのに時間がかかるから、墓場マンションって呼ばれているんです」
毎年、新しい配達員が増える季節になると、この墓地の周辺ではウーバーイーツや出前館の配達員のさまよう姿が見れるとのこと。事情を知らない一般の人が見たら、お供え物も配達する時代かと勘違いするかもしれませんね。
最後に。神奈川で配達しているCさんから聞いたのは「風の谷」の話。住宅がたくさん立ち並ぶ関東地方では、川や広めの道路といった見通しの良い場所が風の通り道になります。朝晩の温暖差が激しい日や、季節の変わり目になると川や道路に沿うように風が流れ、時には立つのもやっとなほどの強さになることも。
そんな強風の影響がすごいと言われているのが「風の谷」。丘の上から風が吹き下ろすと、自転車で坂道を登ることが不可能になり、下から吹き上げると自転車が持ち上げられそうになるとか。学生などは普通に自転車で登り下りしているそうですが、ウーバーイーツの配達員は巨大なリュックを背負っているからたまりません。モロに風の影響を受けた結果、Cさんは転倒。料理は破損し、注文者に再配達することに。料理が破損した場合はいろいろと確認&連絡があるのですが、それはまた別の機会にお話しします。
私も東京の湾岸エリアにある豊洲で配達しているとき、向かい風が強すぎて電動アシスト自転車を漕ごうとしてもペダルが踏み込めず、自転車が後ろに進むというありえない経験をしたことがあります。
「風の谷」という名前は、Cさん周辺の配達仲間が勝手につけた名前らしいのですが、まぁジブリファンなのでしょうね。
私もいくつか苦手とする注文はありますが、そこそこ稼げるので配達しています。全国の知り合いから新しい配達員泣かせのスポットを聞けたら、またご報告したいと思います。