引退後も影響を及ぼす「プレッシャーの力」
エディーさんの「プレッシャーの力」は、現役を退いた今も僕に影響を及ぼしている。大学院への進学、コーチ就任、『ノーサイド・ゲーム』への出演、経営者への転身。何かを「成し遂げたい」とか「今までやったことのないことに挑戦したい」というときは、それを乗り越えられたときに、必ず大きなものが得られるということを僕は知っている。たとえ、とてもハードな道を歩むことになるとわかっていても。
正直なところ、ちょっと楽をしようと思っても、それなりに生きていけるだろうとは思う。だけど、まだそんなフェーズではないと、自分自身にプレッシャーをかけ続けて毎日を生きているところがある。
「プレッシャー」という言葉に対しては、ネガティブな印象、マイナスのイメージを持っていた人もいるだろう。だけど、プレッシャーをかけられつつ、もがきながら進むことで、新たなフェーズに進めることもわかってもらえるはずだ。これはラグビーに限った話ではない。さまざまなスポーツの指導者や、有効なコーチングを身につけたいというビジネスパーソンにも役立つだろうと思う。
エディーさんは僕よりずっと年上だけど、常に学び続けているし、新しいことに挑んでいる。その姿勢は素晴らしいと思うし、見習いたい。
僕とエディーさんは今でもときどき、連絡を取り合っている。僕にとっては古い友人であり、師でもある。現役当時はエディーさんから相当なプレッシャーをかけられて、心身共にキツい思いをした。だから「もう一度、一緒に仕事をしよう」と言われたら、そこは相当な覚悟が必要になる(笑)。でもいつかまた、お酒でも酌み交わしながらラグビー談義に話を咲かせられれば嬉しい。
※本記事はエディー・ジョーンズ:著『プレッシャーの力』(ワニブックス:刊)より一部抜粋編集したものです。