中華料理・韓国料理・インド料理・タイ料理といった定番から、ギリシア料理・クロアチア料理といった変わり種まで、都内にはたくさんの異国料理のお店があふれています。
40代半ばで“食”にこだわらない身としては、中華・韓国・インドくらいまでが守備範囲。これ以外の店に客として行くことはありませんが、配達員として店を訪れると、香辛料の匂いやBGM、はたまた接客の仕方など、日本の飲食店との違いを感じることが多いものでして……。今回は外国料理のお店で体験したエピソードを紹介します。
配達疲れもラッシー1杯でよみがえる
私が配達するエリアで、一番多く注文が入る異国料理店は、定番中の定番のインド料理店。焼きたてのナンとカレーのセットは、ランチタイムから深夜まで、コンスタントに配達依頼があります。
インド料理店への引き取り通知があると、私はなんだか少し心がウキウキしてしまいます。なぜならば、何回かに1回くらいの確率ではあるのですが、料理が出来上がるまで時間がかかりそうな場合、店の中でラッシーをご馳走してくれることがあるからです。
まるで初詣で振舞われる甘酒のようで、配達の疲れも吹っ飛びます。水筒にお茶を入れて配達している身からすると、この気遣いは本当に嬉しいのです。
さらにインド料理店の場合、店内で待っていてくれと言われることも多いのです。夏は気温35度を超える猛暑のなか、冬は顔を刺すような冷たい風が吹き付ける寒さのなかを走っている身としては、冷暖房の効いている「おつかれさまー。店内で待ってて~」と言われるだけで涙が出るほど嬉しいもの。
そのうえ、ラッシーまでもらえたら、水を一杯もらった江戸時代の飛脚よろしく、クタクタになっても自転車をこぐ気力がわいてくるのです。
ちなみに具体的な場所は言えませんが、都内某所のインド料理店は、店舗の方がウーバーイーツで使用しているタブレットの操作に慣れていないためか、たまに配達員がやってくるまで注文を受けたことに気づかないことがあります。
配達員がやってきてから料理を作るので、もちろん時間はかかりますが、そんなときはマンゴー味のラッシーをいただきながら、しばしの休憩。沖縄県民が時間にルーズという話はよく聞きますが、もしかしたらインド人にも多少通ずるところがあるのかもしれません。
ただ一点「配達に時間がかかりすぎ!」と、お客様よりBAD評価を受けてしまう可能性はありますが……。