テレサ・テンには壮大なテーマがある!
ワニ 後攻紅組は?
りか テレサ・テンさんの『別れの予感』です。
ワニ カラオケボックスで何度となく歌わせて頂きました。
りか 究極のテレサ・テンさん。全ての歌詞に重みがある(笑)。
ワニ “泣き出してしまいそう”という言葉から始まる歌なんて他にないですよ。
りか 女々しさというか、すがりつく感じがストレート過ぎて。またテレサ・テンさんの声、表情、全ての表現がよりせつなさを醸し出しています。
ワニ 途中で曲調が急に変化する場面も面白いです。
りか そこから歌詞が否定的になるんですよ。深い愛を想像していたら、“できない”と。振り切ったんでしょうね。
ワニ それまで泣きついていたのに。
りか 主人公の心情が変化したように、聴き手もここでハッとさせられるから終わった後の余韻が凄い。やっぱりテレサ・テンさんは、恋愛とか、好きとか嫌いとかだけじゃなく、【愛】を歌っているんです。
ワニ 壮大ですね。
りか 恋が成就しない全責任を、自分の愛が足りないからというふうに言っているんですよ。相手のせいには絶対にしない。だから重たくも感じるんですが、それだけ深く深く想っているから、愛とは何か? と考えさせられます。
ワニ そんな人でも最後は“できない”と諦めてしまうわけですが、これは燃え尽きたんでしょうか。
りか 命に代えてもいいと言っていますよね……愛しているからこそ耐えられないこともあるんでしょう。常に不安で。
ワニ やっぱりこの主人公、ちょっと怖いかも(笑)。でも、りかちゃんがこんな曲、どんなシチュエーションで聴くの?
りか 日常的に(笑)。
ワニ レアな二十歳。
りか 名曲に世代は関係ありません!
ワニ すみませんでした(笑)。ではそろそろ勝敗をお願い致します。
りか もちろんテレサ・テンさんの『別れの予感』ですね。改めて聴くと、考え込んじゃって意見がまとまらなくなったのですが……それこそ、テレサ・テンさんは永遠のテーマを投げかけてくれているんだと思えてきたので。
ワニ 深い……。
りか 昭和歌謡は深いんです!