さくら学院を卒業して環境の変化に戸惑いました
――さくら学院として活動したなかで印象に残っていることを教えてください。
堀内 中学3年生のときの「学院祭」ですね。年に一度の大イベントで、私たち中3メンバー4人が引っ張って盛り上げなければいけなかったのに、全然うまくいかなくて。歌や出し物、MCなども含めて何かトラブルがあったわけではないんですけど、なんというか、来てくださったお客さんとの距離感を感じてしまったというか……。
学院祭は2日間のイベントなんですけど、1日目がそんな感じで終わった後に4人でいろんなことを話したのを覚えています。それが良かったのか、2日目は大成功だったんです。
今でも同期の4人で集まると、みんな大人になったはずなのに騒がしくて、中学生に戻った感じになっちゃいますね。コロナ禍でなかなか集まれないんですけど、一生の付き合いになるのかなって思っています。
――まさに青春ですね。
堀内 本当に! それだけに、中学卒業と同時にさくら学院も卒業して〔さくら学院は中学3年生の3月で義務教育を終えると同時に、グループを卒業することが決められている“成長期限定ユニット”〕、仲間たちや父兄の皆さん〔さくら学院ファンの呼称〕とのかかわりが一切なくなって、最初はその状態に慣れることに必死でした。
今思えば、人前で歌うことが好きでこの世界に入ってきて、私の前にはいつもたくさんの方がいてくださって、たくさんのパフォーマンスをしてきた、その環境がどこか当たり前のようになってしまっていたのかもしれません。日々感じる自分の思いをアウトプットする場所がなくなってしまって、ものすごく戸惑いました。
――さくら学院を卒業してからは、ミュージカルへの出演など、個人としての活動もありましたね。
堀内 とても貴重な体験でした! そのなかで、自分がまだまだなんだということも痛感しました。やっぱり、さくら学院にいたときは12人グループのなかの1人という意識が強すぎて、個人として活動していくには気持ちが足りないと思ったんです。
そこで、自分の気持ちや感じたことをまずは言語化して、意識してみようと思って、思ったこと、感じたことを表現する一手段として、詞を書くことを始めました。
――高校生のときですね。
堀内 はい。自習の時間とか、休み時間とかに急に言葉が生まれてくるときがあって、そのチャンスを逃したくなかったので、小さなメモを筆箱に忍ばせておいて、すぐに書けるようにして。それを歌詞ノートみたいな形でまとめていきました。
――そのノートはどれぐらいの量があるんですか?
堀内 今は1つのバインダーに収まりきらないぐらいになっているので、数えたことがないのですが30曲分以上とかはあるんじゃないかと……。
――すごい! その後は大学に進学して、作曲についても学んだそうですね。
堀内 そうなんです。作曲理論を学びながら、幼いころからずっとやってきたピアノに加えてギターも始めました。ピアノやギターで、自分の好きなコード進行でいろいろ弾いてみて、好きなフレーズが浮かんだらそれをつなげたりして、曲を作っていきました。
――“曲を作っていきました”って簡単に言いますけどすごいことですよ! 今回の『ナノ・ストーリー』というアルバムにはインストゥルメンタルも含めて、まり菜ちゃんが作詞作曲を手掛けた12曲が収録されていますが、これは高校時代から書きためたり、作っていたものをもとに構成していった感じなんですか?
堀内 いえ。これまで作ってきた曲はこのアルバムには入っていなくて、昨年の一年間に自分のイメージする物語に沿って少しずつ作っていった曲たちが、最終的に1つの作品にまとまった感じなんです。
≫≫≫ 次回3/10更新の後編では、いよいよ発売日を迎えたデビューアルバム「ナノ・ストーリー」について詳しく聞いていきます!
『ナノ・ストーリー』 3月10日発売!
1.ナノ・ハナ
2.ヴァイオリン幻想曲
3.ねぇ星よ
4.空っぽの私
5.ふう *instrumental
6.優しい人
7.ココロインク
8.Welcome to Nanoland
9.Midnight Rail
10.わあ *instrumental
11.菜心歌
12.ユメ日記
〇堀内まり菜 ”ナノ・ハナ” Music Video
〇堀内まり菜チャンネル[YouTube]