誰にも止められない共産主義の暴走

共産主義勢力の考え方および手法は、ある意味で緻密で賢く、さらには原理主義的で残酷です。

たとえば、2017年にバージニア州のシャーロッツビルで、南北戦争の英雄ロバート・E・リー将軍の銅像撤去に反対するため、集会を行っていた右系グループの群衆に車が突っ込み、死者が出るという事件がありました。現地には、右系グループの集会に反対するために「ANTIFA」を掲げる人たちも集まっていました。

トランプ元大統領は、この事件について「シャーロッツビルには、リー将軍の銅像を倒したくないというだけの、“いい人たち”もいたはずだ」とコメントしました。これをANTIFAは、トランプは白人至上主義者を容認し擁護した、と解釈しました。

▲南北戦争の英雄ロバート・E・リー像 出典:ウィキメディア・コモンズ

トランプの真意は違います。白人至上主義者でない人たちもそこにいたはずだ、銅像が好きだというだけの人たちもいたはずだ、気の毒だ、と言っただけです。当たり前のことを言ったように聞こえますが、これはANTIFAの思想原理をまったくわかっていない発言です。

ANTIFAを掲げる人たちは、トランプの真意などはわかっています。それを利用することを考えるのがANTIFAです。

誤解するふりをして戦い続ける理由をつくり、今度は政府のトップ、トランプに対して牙を向けるのです。おそらく、ANTIFAはトランプの発言を知って、この人はまったくわかっていない、“潰せるな”となめてかかったはずです。

日本の「保守」と言われている政治家も言論人も、シャーロッツビル事件について、トランプのコメントのまずさというものがあまり理解できていないようです。

私たちは、中国はいうまでもなく、共産主義というものを脅威だと思わなければなりません。しかし日本人の多くは、共産主義がどれだけ怖いものなのか、やはりわかっていないようです。

新型コロナウイルスについても、世界中が中国共産党に対して怒っているにもかかわらず、また日本国内がこれほど苦しんでいるにもかかわらず、日本は中国に対して怒りを向けません。中国共産党が新型コロナウイルスを隠蔽しなければ、今回の不幸は何ひとつ起きなかった可能性が高いのです。

新聞やテレビをはじめとするマスコミも、新型コロナウイルスを中国の責任問題と関係づけて議論することはほとんどありません。