アメリカで黒人が死亡した件による抗議デモで、BLMとともに「ANTIFA」という存在も話題になりましたが、どういう組織がご存じでしょうか? トランプ元大統領がツイッターで、名指しで「Terrorist Organization(テロ組織)」と批判した存在です。日本に蔓延している平和ボケによる弊害と、私たちが直視しなければならない本当の真実、メディアが伝えない共産主義との関係について、歯に衣着せぬケント・ギルバート氏が解説。

※本記事は、ケント・ギルバート:著『強い日本が平和をもたらす 日米同盟の真実』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

ANTIFAに賛同するのはただの馬鹿

共産主義とは、どういう思想でしょうか。大事なところだけを言いましょう。共産主義の目的は、武力による革命です。

国家を混乱に陥れて、暴力による革命を実施し共産主義国にするという、つまり自由主義国家の転覆が、共産主義者たちの目的です。共産主義を世界に広めて、世界統一することが使命だと共産主義者たちは考えています。

平和など関係ありません。パワープレイの世界であって、そこにあるのは、誰が実権を握るのか、誰が独裁者となるのか、という闘争だけです。ソ連・中国・東ヨーロッパ・北朝鮮の歴史を見ればわかる通り、かつて共産主義がもたらしたのは、不平等と大量の死者と不自由だけです。

日本のいわゆる平和主義者のなかには、共産主義を主とする左翼思想にこそ平和の鍵がある、と考えている人たちが多くいらっしゃるようですが、勘違いもはなはだしいと言えるでしょう。

黒人が死亡した件による抗議デモでは、BLMとともに「ANTIFA」という存在も話題になりました。トランプ元大統領がツイッターで、名指しで「Terrorist Organization(テロ組織)」と批判した存在です。赤と黒の旗を組み合わせたロゴマークをシンボルとしています。

▲現代のANTIFAロゴマーク 出典:ウィキメディア・コモンズ

ANTIFAは「ANTI-Fascism」を略したものです。訳せば「反ファシズム」「反ファシスト」で、全体主義に反対する、という意味です。ANTIFA自体の歴史は古く、1930年代のドイツに始まっています。

ANTIFAは、組織というよりムーブメントとして捉えるべきものです。ANTIFAという考え方があり、その思想に共感する組織や運動団体がある、という感じです。BLMもまた、ANTIFAの一環として存在する組織体だと考えていいと思います。

反ファシストや全体主義反対、と言えば聞こえがよく、いわゆる平和主義の人たちが飛びつきたくなる気持ちはわかります。通称・しばき隊という反人種差別団体が販売する「ANTI-Fascism」のロゴをあしらったTシャツを、議員や運動家の人たちが嬉々として着た数年前の写真がネットで拡散されていました。

ANTIFAに賛同するという表明がいったいどういうことなのか。単にファシズム反対というムードめいたことだけでANTIFAを掲げているのだとすれば、それがどれだけ物事をわかっていない馬鹿であることを自ら触れ回っていることになるのか、ちょっと説明しておきましょう。