2020年、合同トライアウトにチャレンジした新庄剛志氏。その新庄氏にバッティングを教えたことで話題となったのがスポーツ施設IWA ACADEMY(2021年4月より『MTX ACADEMY』に名称変更)の木村匡宏トレーナーだった。ここでは、木村トレーナーが提唱する『パワーポジション』について、そしてスポーツが好きな子どもたちや、それを応援している親御さんへのアドバイスなどを聞いてみました。

全身の力がつながる自分だけの最適なポジション

新保 新庄さんとのエピソードのなかで、記憶のなかに身体感覚が眠っているという話がとても興味深かったです。スポーツ以外でも、昔のいいところを呼び起こすようなことって、できるんでしょうか。例えば、プレゼンの本番で自信をもってできるとか……。

木村 ああ、めっちゃあります! 大事なプレゼンで頭が真っ白になりそうなときは、意識して体を動かします。すると動作が引き金になって、いいフレーズが出てきたりします。なので練習のときに、ただ座って原稿とにらめっこするよりも、本番のプレゼンで自分がどんな表情で、どんな姿勢で、どんな動作をするか、体を使いながら記憶することが大事みたいなんです。

僕の場合は、両手をおへその前で合わせる動作を「安心材料のスイッチ」にしています。こういう安心の動作を決めておくのはおすすめです。

新保 木村トレーナーといえば『パワーポジション』で、すっかり有名になりました。改めて簡単に説明していただくと、どういうものなのでしょうか?

木村 簡単に言うと「全身の力がつながる自分だけの最適なポジション」ということです。バッティングフォームの上半身の使い方でいえば、吉田正尚選手(オリックス・バファローズ)のように背筋を伸ばす形と、バレンティン選手(ソフトバンク・ホークス)のように背中を丸める形とでは、体の使い方、力のかかる場所が違います。

『パワーポジション』は、普段は無意識下で自然と備わっているものなので、自分の思っている力の使い方がズレているケースもよくあります。そこで外から力をかけてあげると、力が入ってくるところと、抜けていってしまうところがわかる。そんな風にして「オレ、こうやって体を使ったほうが楽なんだ」と気付いていくワークをしていきます。

▲身振り手振りを交えて『パワーポジション』をわかりやすく解説

新保 木村トレーナーが書かれた本『パワーポジションで最強スイング&インパクト! IWAバッティング・メソッド』『パワーポジションでスピード&コントロールが身につく! IWAスローイング・メソッド』(ともに東洋館出版社)を読めばわかりますか?

木村 そうですね。本では詳しくわかりやすく説明しています。本の宣伝をありがとうございます(笑)。

〇IWAバッティング・メソッド(公式PR)[YouTube 東洋館出版社TV]