新しいチャレンジをしていくことが「最新理論」

新保 木村トレーナーが提唱する、最新のバッティング理論は何かありますか?

木村 誰しも自分のフォームに正しさを求めたくなります。でも、バッティングフォームには決まった正解があるわけではないんですね。それぞれの正しさは違うものだからです。

「正しさは自分の中にある」――ネイティブの英語を使える同じアカデミーの柴原トレーナーに聞いてみたら「The answers you seek are with you」っていうのを聞いて、”seek”っていう単語にこれだ!って思いました(笑)。seek=探究していくことこそ、スポーツの醍醐味なんじゃないかなと。

だから「これが最新理論だ」というようなものはありません。新庄さんとのセッションで強く感じたことなのですが、これまでの自分がやってきたことと違うことに取り組むのが「最新理論」なのではないでしょうか。

自分で新しいチャレンジをしていくことが「最新理論」。現在をどんどん更新していくことが最新。それが新庄さんの場合は、野球だけじゃなくて私生活もそうなんです。自分自身も含めて最新が好きだから。歩いていていい美容整形があったら、そのまま入っちゃうっていってました(笑)。

新保 ここで、担当編集のイワオさんから質問があるそうです。

イワオ すみません。私、中学まで野球をやっていたのですが、フェンスオーバーのホームランを打ったことがないんです。そんな私でも、木村さんにバッティングを教わればホームランを打てるようになれますか?

木村 結論から言うと「なれます」。草野球をやっている人は本当に熱いですね。実際に「フェンスオーバーのホームランを打ちたい」とIWA ACADEMYに来る人もいます。ちょっとやってみますか。では、バットを振ってみてください。

おー、いいですね。はい、わかりました。じゃあ、ボクシングのファイティングポーズみたいな形で構えてください。ちょっと力を加えますよ。はい、もう一度お願いします。今度は、こちらに力を加えます。はい。いいですよ。

うん、イワオさんは背筋力が強いので、吉田正尚選手みたいに打ったほうが飛びますね。腕をこんな感じで使うイメージで振ってみてください。そう。ここまできたら、あとは上に向かって、アッパースウィングのイメージで。あ、いいですね。ああ、よくなりました。どうですか?

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イワオ はい、明らかにヘッドのスピードが速くなって、強く振れてる気がします。このまま新宿歌舞伎町のバッティングセンターに行きたい気持ちでいっぱいです(笑)。

木村 僕もホームランを打ちたい、本当のところはどうなの?っていうのを、ずっと追求してきましたが、結局、打ち方の正解は人それぞれってことに落ち着きました。イワオさんも、今感じているフィットした感覚がむちゃくちゃ大事です。それは自分の体に感覚としてくっついているもの。そこから離れないでやっていくことです。