新曲『Staring at You』をライブの最後に持ってきた理由

▲光による演出は、メンバーたちのパフォーマンスをよりいっそう浮かび上がらせた

最初のブロックではガツンとアゲ曲を並べ、次のブロックではしっかりと魅せる楽曲へ。そして愛来以外の3人が歌う『フロムレター』から、愛来のソロではじまる『Over the rainbow』へのつなぎ。ここは一旦、ステージ上が暗転し、3人がハケたあとに愛来にピンスポットが当たる、という演出だったのだが、3人の姿が完全にステージから消える直前にパッと愛来が登場する流れが、じつに美しかった。

暗転とスポットライトの狭間で、ちゃんとステージには「4人」が立っている。なにげないことだけれども、とても印象的な一瞬。続いて、本編のクライマックスに配された楽曲は、前身の3B junior時代から歌い継いできた『勇気のシルエット』だった。

このライブへの準備期間に、メンバーやスタッフと話しているとき、なにげない会話の中から「最近、3Bの曲を歌うことがめっきり減った」という話になった。アメフラっシとして動き出したときは、まだ持ち歌が少なかったので、3B juniorの楽曲を入れこんでいかないとセットリストが組めなかった、という事情もあったが、ここにきて自分たちの曲だけで構成できるようになった。

「だからといって過去の曲を意図的に外しているわけじゃないんですよ。最近の楽曲のカラー、そして、それを歌うメンバーのイメージも変わってきているので、昔の曲をセットリストに組み込むことが難しくなってきた。もちろん、これからも歌っていきたいですけど、前後の楽曲との流れもあるから、なかなかね」

そう話すスタッフに、メンバーも「たしかに」とうなずく。そんな会話を聞いていたので、ここに『勇気のシルエット』が入ってきたのは意外だったし、本編のラストとなる、この次の曲になにを持ってくるのか? と気になった。

そこに流れてきたのは、聞き覚えのないイントロ。そう、新曲『Staring at You』をラストに持ってきたのだ。新曲といっても、じつは昨年末のライブで未完成の状態で一度披露されている。だが、そのときはピアノ一本での歌唱だったので、まったく印象が違って聞こえる。そして、なによりも『勇気のシルエット』からの流れに違和感がない……前身グループの楽曲から、初披露の新曲へとつないで本編が終わる。念願のZeppワンマンの大団円には4人の歴史と未来が詰まっていた。

▲至るところに未来に向けた希望と未来へのメッセージが詰まっていた