90年代後半を中心に西武ライオンズで活躍した、元プロ野球選手・髙木大成氏の著書『プロ野球チームの社員』が4月8日、全国書店で発売された。現在はいわゆる球団職員としてライオンズで働く髙木氏だが、その歩みはプロ野球界の変革とともにあったという。
まさか本になるとは思っていなかった
髙木大成氏は、桐蔭学園高校時代に主将として甲子園出場、慶應義塾大学野球部でも主将を務め、95年ドラフト1位で西武ライオンズに入団。「レオのプリンス」としてファンから親しまれ、97年と98年のリーグ優勝に貢献するなど、ライオンズを主軸として支えた。
99年あたりからはケガに悩まされ、2005年に現役引退を決断。その際、球団から提案されたのが「ライオンズの社員」としての道だった。著書『プロ野球チームの社員』は、引退から約15年、元プロ野球選手としては稀有なキャリアをまとめた一冊だ。
同書はWANIBOOKS NewsCrunchの連載「球団職員の世界」が元となっており、髙木氏は連載担当者から書籍化を提案された当初「まさか本になるとは思っていなかった」と驚いたという。
しかし「プロ野球という華やかな世界を、影で支えているのはどのような人々なのか。ビジネスとしてのプロ野球は、この15年でどのように変わってきたのか。ファンの方々に知っていただき、何かの参考になれば」という想いから、書籍化に取り組むことを決めた。
ビジネスとしてのプロ野球の変革とともに歩んだ15年
実際、髙木氏が「株式会社西武ライオンズの社員」となったころは、パ・リーグの2チームが合併するなど、プロ野球界が大きく揺れ動いていた時期であり、その後、髙木氏はプロ野球のビジネス面での変化に数多く立ち会ってきた。
たとえば、メットライフドームのグラウンドに設置されている企業広告の看板。以前はほとんど存在しないことが特徴のひとつだったが、ビジネスモデルの転換により、2000年代後半ごろから増加しているのだ。
このほかにもファンが知っているようで知らない変化が多々あり、そうした経験も同書では丁寧に振り返っている。
さらに、優勝時の「ビールかけ」のために行う意外な準備や「プリンスホテルへの異動」という西武グループならではの経験も語られるなど、プロ野球ファンなら思わず誰かに話したくなるエピソードが盛りだくさんだ。
そんな『プロ野球チームの社員』について、最後に髙木氏から「12球団ではそれぞれ、プロ野球の更なる発展に向けて多くの方々が働いているなかで、このような機会をいただいたことに心から感謝しております。私が現役を引退してから15年以上が経ち、15年の間で野球界やライオンズも大きく変わりました。その変遷や、意外と知られていない私を含めた球団の仕事内容などをたっぷりまとめています。もしかすると、プロ野球への興味がひとつ増えるかもしれません。よろしければご一読ください!」と熱いメッセージをいただいた。