引退と同時に、当時としては珍しい「元選手」の球団職員となった髙木大成。ところが、突如右も左もわからないホテル業界へ飛び込むことになる。

「出向の終了」だったプリンスホテルへの異動

「球団職員の仕事」という話に入る前に、もう少し私自身の「ちょっと普通じゃない経験」についてお話しようと思います。本筋からは少し横道にそれますが、今回お話する内容は、日本プロ野球の特徴ともいえる「親会社との関係性」をよりリアルにイメージしていただけるかもしれません。

前回の終盤で触れたように、球団職員となった私はグループ会社の「株式会社コクド」の社員で、西武ライオンズへは出向という形をとっていました。当時の西武グループは、コクドがグループの統括のような役割となって系列を形成していました。

そこに「西武グループ再編」という激震が襲います。

詳しい説明は省きますが、2004年に西武鉄道が上場廃止となったことで、西武グループが再編されることになったのです。

その過程で、コクドはプリンスホテルと合併し、存続会社がプリンスホテルであったことから私の正式な所属もプリンスホテルとなったのですが、実態としては大きく変わることなく、グループ企業の一員である西武ライオンズへの出向社員として、2011年まで勤務していました。

ところが、2011年12月、私はプリンスホテルへ異動になります。形としては、西武ライオンズへの出向が終了となり「元籍」に戻ったことになります。

でも、私としてはそんな簡単なことではありません。サラリーマン生活にやっと慣れてきたなかで、「ホテルマン」という、野球から離れた世界に飛び込むことになるとは想像もしていませんでしたから。