コールセンターが芸人の溜まり場に

小さい頃から、夢は芸人になることでした。

出身は千葉県の我孫子で、10歳のときに佐賀へ。高校卒業後、再び我孫子に戻り、大学卒業後の2001年から、今の相方(土屋)と本格的に活動をスタートさせました。

一人暮らしを始めたのも同じ頃。そのアパートと最寄り駅の中間にあったのが、薬師の大番でした。ここの「つけめん」がうまくってね。

▲とんこつしょうゆをベースにしたスープが絶品

当時は、どんな思いで食べてたかって?

無心ですよ。だって腹が減ってるんだから。バイトの給料日前は、なかなか食べられなかったなぁ。残高が数百円しかないので銀行の窓ロまで行ったことも。

▲店主の近松さんと記念撮影

兄がブレイクし始めていたから、それで生活をつないでいました。そして、暇があればエロビデオばかり見てた。

当時は、そんな自分が嫌で仕方なかった。売れたいと本気で思ったのはこの頃からです。2006年から始めたコールセンターのバイトは、芸人仲間が多く働く楽しい職場でした。

空いた時間にネタを作ることができたのも良かった。それが後々、役に立ったのかな。

芸人で食えるようになったのはその2年後。『レッドカーベット』、そして『Mー1』 に出たことで全国区になれました。最近の仕事は、順調と言っていいかもしれません。でも、安定が欲しかったわけではないし、もっと売れたいと思って今でも必死にネタを作っています。

最近の心配は、相方の突然死(笑)。ツッコミなしでは成立しない漫才をしているので、どうしたらいいものか。そうならないように65歳くらいで自主解散しようかなと、本気で考えています。

※本記事は『週刊実話2016年1月28日号』(©日本ジャーナル出版)に掲載された内容を転載編集したものです。

『芸人下積みメシ』は、次回8/6(金)更新予定です。お楽しみに!!

<店舗情報>
■薬師の大番
住所:東京都中野区3-41-3
電話:03-3385-1193
休み:日曜
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。来店前にご確認ください。

プロフィール
塙 宣之(はなわ のぶゆき)
1978年3月27日生まれ。千葉県出身。お笑いコンビ「ナイツ」 のボケ担当。'01年に大学の後輩だった土屋伸之とコンビを結成。 『M-1グランプリ』は、'08年から3年連続で決勝進出。お笑い芸人のはなわは実兄。週刊実話にて 「週刊ヤホーNEWS」を好評連載中。