YouTubeチャンネルの登録者数59万人超の「1GAME(ワンゲーム)」の代表・てつ氏。組織として年間1億円以上を売り上げている彼は「YouTuberに誰でもなれるのは事実です。ただ、それで生きていく、職業として食べていくとなると、それは簡単なことではない」と語ります。

※本記事は、てつ:著『福の神の作り方 -パチスロ馬鹿が教えるお金不要の投資と貯蓄-』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

お金ではなく「体力」を初期投資する

今の時代においては「影響力」と「発信力」、これはほぼ同じ意味だと思います。今の僕は、影響力と発信力を持っているおかげで、いろんなことができるようになっています。

では、この影響力と発信力をどのようにして得ていくのかというと、すべて「投資」して手に入れるものです。

ただ、この「投資」を勘違いしている人が非常に多いのも事実です。わかりやすい例でいえば、YouTuberデビューを目指すときに、動画撮影用に立派な機材を買ったり、いきなり広告を打つなど、どういうわけか初期投資にお金をかける人が山ほどいます。

▲ビジネスになるかわからないのにお金を投資するのは無謀 イメージ:PIXTA

まだビジネスになるのかどうかもわからない段階で、すでに赤字スタートです。なかには100万円ぐらい投資をして、高性能のカメラやソフトを買ってから始める人もいるようですが、ものすごい度胸です。それが回収できるのかすらもわからないのにやるなんて、僕には無理です。これは無謀以外の何物でもありません。投資ではなくギャンブルです。

もしも何かを始めるなら、最初は極力お金を使わないこと。無料の資産である「体力」があるのですから、金融資産ではなく、体力を投資に回すべきです。お金を投資するとマイナスが生まれますが、体力は無料なので、どれだけ動いたってマイナスになりません。結果がダメダメでも常にゼロのまま、お金が減らないのです。

僕自身、最初の頃は物質的に何も持っていなかったので、会社が終わった時間や休みの日に動画の撮影や編集を行い、すべて体力だけで乗り越えていきました。体力を投資したおかげで基礎ができ、ようやく次のフェーズに進めたのです。

実際、自前で持っていたのは数千円のマイクだけ。必要な機材はすべて他人から借りました。編集ソフトもフリーのものです。得られる収益が未知数なのに、最初から大切なお金を投じてはいけません。

「信用」さえあれば金融資産が溶けても大丈夫

自分の価値を形成する資産のうち、貯めていけるものもあります。それが「信用」です。信用というのは絶対に裏切らないしブレません。仲間に対しても、クライアントさんに対してもそうです。積み上げた「実績」だけが、信用として資産になります。

信用という資産は、ある日、大幅に上がるなんていうことはなく、ずっと右肩上がりに増やしていくしかないものです。つまり、やった分しか増えないのです。

「一度失った信用を取り戻すのは大変だよ」

皆さんも、小さい頃から親や先生に繰り返しこう聞かされたのではないでしょうか。信用というのは、状況によって価値変動を起こすことはありませんが、一回のミスや気の緩みで失墜してしまうと、またゼロから貯め直さなければいけないものでもあります。

▲一度失った信用を取り戻すのは大変 イメージ:freeangle / PIXTA

たとえ金融資産が吹き飛んだところで、能力と信用があれば復活できます。しかし、信用が吹き飛んでしまったら、砂漠に裸で放り込まれるようなものです。とにかく、信用だけは死守しながら生きていかないといけません。

価値観や主張に一貫性を持ち、人をあざむかず、裏切らず、筋を曲げず、手を抜かず、誠実であり続ける……こういうプラスの要素を積み上げて積み上げて、その量に比例する資産が信用です。

あらゆる資産の中で、最も手に入れることが難しい代わりに、これさえ持っていれば他の資産が溶けてなくなっても、再起可能だと断言できるほど、強い資産です。

ただし、このシンプルなやり方こそが“最強”というには、何かが足りません。誠実さから得られる信用には、限界があるからです。いくら真面目で勤勉な人でも、真の意味の信用を得ているかといえば、そうではありません。実は、最も大きな信用を得るために必要な要素があります。それが「結果」です。

「誠実であること」と「結果を残すこと」がセットになって、初めて最強の資産となります。とにかく「結果を残している人」の持つ「信用力」は圧倒的です。世に名を馳せている人たちの多くは、この部分が突出しています。そして、この「結果」というのも、信用と同様に「積み上げる」もの。そういう意味で、信用は「貯蓄」の性質を持つといえます。