「奇声」は万国共通!

小学校低学年の頃は、根暗なイジメられっ子。

それが小学校3年のクラス替えのときに、テレビで見たお笑い芸人をイメージして陽気なキャラクターを演じたら、一気に友達が増えた。「笑いの力」を実感した瞬間です。

この道に進みたいと思い、高校卒業後、親友と大阪へ向かいました。

大阪で苦労したのは言葉の壁。お客さんは関西弁じゃないと受け入れない雰囲気があった。ボケのあとに静岡弁で突っ込んでも、客はボカーン。そこで、ツッコミではなく奇声という手を思いついた。

 奇声は万国共通ですから。ただ、最初は珍しがられたけど、テレビやラジオに呼ばれても1回だけ。行き詰まって事務所に「辞めます」と伝えたら「いいよ」と即答されました。

まぁ、それが当時の評価だったんですよね。

その後、28歳で東京へ。一時は迷走して、漫画家を志した時期もありました。 芸人であることを言わずに出版社に持ち込みをしたら「お笑いを見て勉強したほうがいい」と編集者に説教されてね(笑)。

▲近くの稽古場に多くの芸人が通った

結局、今の事務所に拾われたのが31歳。稽古場があった千川の『みはら庵』では、悩む後輩を励ましたり、引き止めたりもしたなぁ。

辞めるという後輩を見ると、いろんな思いが渦巻きました。それはまさに、自分が通ってきた道。このみはら庵のカツ井には、芸人の悲喜こもごもが詰まっているんです。

数年前に、バラエティーの『あらびき団』 で、だいぶ顔を知られるようにはなりましたけど、劇場で同じネタをやってもウケない。

そこから、万人にウケるネタを模索して試行錯誤。R-1で評価をされたことは自信になりましたね。

今後の目標は個性的な芸人として生き残ること。

「お笑いにザコシショウあり」と歴史に名を残せたらいいですね。

※本記事は『週刊実話2016年6月9日号』(©日本ジャーナル出版)に掲載された内容を転載編集したものです。

『芸人下積みメシ』は、次回8/20(金)更新予定です。お楽しみに!!

<店舗情報>
■酒処・蕎麦処 みはら庵
住所:東京都豊島区要町3-9-13 2F
電話:03-5966-8224
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。来店前にご確認ください。

プロフィール
 
ハリウッドザコシショウ(はりうっどざこししょう)
1974年生まれ。静岡県出身。2007年にバラエティー番組『あらびき団』(TBS)でブレイク。一度見たら忘れられないユニークなものまねで、2016年のR-1グランプリ優勝。現在最も注目されている中堅芸人の一人である。