悲願のメジャーデビューへ大きな一歩を踏み出した!
そして、変化が見られたのは髪型だけではなかった。この日のセットリストはいつものアメフラっシのライブとは、ちょっとばかり違っていた。昨年来、ライブ全体に大きなテーマを持たせてきたこともあり、セットリストにはしっかりとした「流れ」があった。もっと言えば、ブロックごとに「アゲ曲メイン」「しっとり聴かせる」という感じでメリハリのある構成になっていた。
そうなると「この曲がきたら、次はあの曲だな」という“お約束”みたいなものもできてきて、お客さんもなんとなく「先が読める」ようになってくる(じつはその感覚は心地よかったりもするのだが)。
特にふたつ目のブロックは、いつもだったら終盤で披露されることが多い『明後日の方向へ走れ』からスタートし、怒涛の7曲連続パフォーマンスとなったのだが、前述のとおり、これまでのセオリーが通じないから、次にどの曲が披露されるのか予想がつかない。
そこに、この日が初披露となる新曲『LUCKY NUMBER』まで投入される。予想がつかないどころか、完全に初見の楽曲だから、いい意味で観客の心はかき乱されまくり、である。
3月のZepp Hanedaの第2部から、あえて「崩す」という試みをし、6月のライブでもテーマ性にこだわらず、そこまでの流れとは違うテイストの楽曲を組みこんでみる、というチャレンジが行なわれてきたが、さらに一歩進んだものを見せてもらっている感じがした。
もうひとつの特徴はアンコールがなかった、ということ。しっかりと16曲を披露し、時間的にもぎっしり1時間半の濃密ライブ。夜の部の開場時間から逆算したら、たしかにアンコールに応えている時間はないのだが……なにか、これまでのアメフラっシのライブに存在していた「概念」というものを、根こそぎクラッシュしてしまうぐらいの変革を感じずにはいられなかった。
1.Rain Makers!!
2.ハイ・カラー・ラッシュ
3.Sensitive
4.フロムレター
5.明後日の方向へ走れ
6.BAD GIRL
7.月並みファンタジー
8.STATEMENT
9.メタモルフォーズ
10.Dark Face
11.LUCKY NUMBER
12.アダムスキーじいさん〜ハムとみかん〜
13.雑踏の中で
14.MICHI
15.グロウアップ・マイ・ハート
16.Over the rainbow
そして、最後のMCコーナーではうれしいお知らせが。6月のライブで初披露した新曲『Sensitive』が、11月3日にCDリリースされることが決定。しかも配信や通販限定ではなく、全国のCDショップに流通されることになったのだ。これはアメフラっシの悲願であるメジャーデビューへ向けての大きな大きな前進、である。
全国のCDショップで販売される、ということは、それに合わせてさまざまな店舗に出向いてのリリースイベントも大々的に開催できる。この日、発表された9月分のイベントだけでもじつに12回! そこには札幌・名古屋・大阪といった地方の大都市の名前も。これもまた、メンバーがずっと熱望していた「東京までライブを見に来れない、というファンの皆さんにも会いたい」という夢が叶うことになる。
昨年8月に開催された夏ライブは、コロナ禍で久々に開催された有観客公演ということで、まだまだ先が見えず、これから先の予定を発表することはできなかった。
あれから、1年。まだまだ世の中の状況は安定してはいないが、こうやって11月3日のCDリリースと、そこへとつながっていくイベントの日程を出せるようになった。まさに可能性は∞(Infinity)。だが、この日のライブタイトルに「∞」がつけられた本当の意味、そして、さらなる可能性が大きく広がっていく「続報」が、夜の部にはたっぷりと用意されていた――。