名門・清華大学出身の習近平は“地頭”がいい?

さて、長々と習近平の経歴について説明してきましたが、正直いってこんな「事典」的な解説では、何がなんだかさっぱりわかりません。どうしても我々日本人にはあまり馴染みのない単語の羅列になってしまうので、習近平がどのようにして今日の地位に上り詰めたのか具体的なイメージが湧きにくいかと思います。

また、文字面だけ見ると、それなりに“華々しい”経歴が書き連ねられているので、習近平が人に言われているほど“無能”には思えないかもしれません。

特に学歴に関しては、名門中の名門・清華大学に入学していますし、同大学の大学院法学課程で法学博士号も取得しています。それを聞いたうえで「習近平は頭が悪い」と言われても、いまひとつピンとこないことでしょう。

しかし、彼が清華大学に入学した1975年というのは、文化大革命中でまともな大学入試がなかった時期であり、当時の入学者はほとんどが毛沢東の推薦によるものです。もちろん、習近平も“コネ”による推薦入学でした。

▲毛沢東 出典:ウィキメディア・コモンズ

また、大学院法学過程での法学博士号論文も“代筆”説が濃厚だといわれています。当時を知る清華大学の教授は「キャンパス内で習近平を見かけたことがない」とも証言していました。

▲清華大学 出典:PIXTA

ちなみに、現首相の李克強は習近平より3歳年下で、清華大学と双璧をなす名門・北京大学出身なのですが、彼の時代には大学入試が再開していたので、ちゃんと自らの実力で北京大学に入っています。それどころか、卒業時には学内一の成績で、イギリス留学を選ぶか、官僚政治家としての出世コースを選ぶか悩んだほどの秀才だったそうです。

▲李克強 出典:ウィキメディア・コモンズ

そんな人物が党内ナンバー2の座にいるわけですから、習近平は他人が思っている以上に学歴コンプレックスに悩まされているのかもしれません。