仕事上で起こりうる悩みは大元をたどると、その仕事特有の悩みというわけではなく、日常で生活する万人が陥りがちな悩みだったりすることがあります。「ミスをしたときの立ち直りかた」なんてまさにそう。これを知っておけば、リカバリーやモチベーションで他人に差をつけられるし、それ以外にもきっと役に立つでしょう。自分自身のなかにある「繊細さん」と向き合ってきたという、伝説のトップセールスマン大塚寿氏だからこそ説得力がある6つの対処法とは?

伝説のトップセールスマンが教える6つの対処法

〇「ミスをしたときの立ち直りかたがわからない」

▲ノリの良いと周りに思われていても繊細な一面も… イメージ:PIXTA

〈回答〉

よく「ミスを引きずるタイプ」という言いかたをしますが、起こしてしまったミスを気にしてクヨクヨしてしまったり、必要以上に自分を責めてしまう人もいます。

こうしたタイプは「同じミスを繰り返す人」ではなく、むしろメンタルヘルスケア的な対処方法を知っておくことが必要になりますので、そのいくつかを紹介しておきましょう。

私自身も、周りには明るく元気で、ノリのいい営業マンと思われていたに違いありませんが、その一方でずっと心の中にいる「繊細さん」と向き合って生きてきました。

ですので、次の方法は全て試してきました。

  1. 陽転思考
    これは、すでに紹介してきましたが「せっかく、〇〇というミスをしでかしてしまったのだから~」と、「~」に入るフレーズをフィット感を得るまで考えてみる方法です。
     
  2. 心の中で実況する
    これは、かつて心理学者の植木理恵さんから直にアドバイスされた方法ですが、ミスをしてからの立ち直りかたがわからず、クヨクヨしている自分の状況をそのまま実況する方法です。

    何年振りになるでしょうか、大塚、〇〇をしでかしてしまい、食事が喉を通らなくなっています! やっぱり今朝も早朝覚醒して、クヨクヨしています。頭の中はそのミスのことで一杯、しかし、同じシーンを繰り返しているだけで、これは空転といってもいいでしょう」といった感じで声に出して実況するのです。言葉に出して心境を外に出せるので、ネガティブエネルギーも排出されます。
     
  3. 逃げ場所を作る
    これは相談する人でもいいですし、愚痴を聞いてくれる相手でも家族でも構いませんし、激しく体を動かして汗をかいてリフレッシュできるスポーツでも構いません。大自然に触れたり、星空を眺めたりして「こんな小さなことでクヨクヨするのはバカらしい」と思えるようにする方法です。

    お祓いを受けるという神頼みも効果的です。これは24歳の厄年に実践済みですが、ものすごく効果があって、リクルートの旧つつじヶ丘寮では、この方法が引き継がれていたほどです。
     
  4. 自分のせいにしない
    うつ病は、無責任な人や他責の人には発症しないといわれます。逆に「必要以上に自分が責任を感じてしまう」人はかかりやすいことになりますから、その予防として、“自分のせいにしない”という意識がメンタルヘルスケア上は有効になります。

    そもそも上司や組織は「部下のミスの責任を取るために」に存在しているのですから、ミスの尻ぬぐいは、より高い報酬をもらっている人にお任せしましょう。
     
  5. 過酷な現実のなかで生きる人たちに思いを馳せる(戦地、被災地、病院)。さすがに今の日本では戦争は考えにくいですが、自分が営業の仕事でミスをしたくらいで、命まで落とすことは考えにくいでしょう。しかし、被災地や病院には生死という過酷な現実と向き合う人がいます。

    ふがいない自分を奮い立たせたくて、靖国神社に併設された遊就館で学徒出陣で戦地に散った人たちのたくさんの遺書に触れたとき、背筋が伸びて吹っ切れたことを鮮明に覚えています。
     
  6. 仕事のミスは仕事で返す!
    こう思えたら苦労はしないのかもしれませんが、最後に加えておきます。リベンジです。落ち込んでいる暇はありません。ミスで周りに迷惑をかけているうえに、落ち込んで周りに気を遣わせてはいけません。

1~6のいずれかを試して、必ず、仕事のミスは仕事で取り返しましょう。

▲仕事のミスは仕事で取り返しましょう イメージ:PIXTA

※本記事は、大塚寿:著『〈営業サプリ式〉大塚寿の「売れる営業力」養成講座』(日本実業出版社:刊)より一部を抜粋編集したものです。