「韓国は後回し」メンツを失った文在寅
さらに「お笑い」な事態は続く。バイデン当選が確実になった直後の2020年11月12日、バイデンは菅義偉元首相と電話会談を行った。文在寅は「なんとしても日本より先に」と部下に命じていたが、結局は日本に先を越されてしまったのである。
バイデンと文在寅の電話会談は、この電話が終わってから、30分後に行われた。当初は日米電話会談の一時間半後に行う予定だったものを、韓国側が強硬に要請して、時間を前倒しさせたのだ。
終了後、文在寅は韓国メディアに「会談時間は日本より4分、長かった」と報じさせ
た。先は越されたが、アメリカは日本よりも韓国に多く時間を割いた、と印象付けたかったのだろう。嫌がるバイデンを無理やり引き留め、なんとか4分の時間稼ぎを行ったのだろうと思うと、その子どもじみた様子には苦笑するほかない。
だが、この時にバイデンの心証を損ねたのか、文在寅は手痛いしっぺ返しを食らう。
バイデン新大統領就任後の2021年 1月28日、バイデンは菅義偉と初の公式首脳電話会談を行った。文在寅とすれば、またも日本に先を越されたことになる。
それだけでも我慢ならないのに、その後も一向に電話がかかってこない。結局、文在寅のもとには1月中には電話がかかってこなかったのである。韓国大統領府はこれまた大慌てで、大統領府付きの記者たちに「明日は来る」と連日、述べざるを得なかった。
「電話が遅れているのは、大雪とコロナウイルス感染対策などのアメリカの国内事情のせいだろう」との説明に、納得しない記者が大統領府の役人に詰め寄ると、今度は「バイデン政権が北朝鮮にメッセージを出す期待があるので、時期を待っているのだ」などという、とんでもない言い分まで飛び出す始末だった。
結局、バイデンが文在寅に電話したのは2月4日。日本より1週間近く遅れた。アメ
リカの大統領が、韓国大統領との就任直後の公式電話会談をここまで遅らせたのはこれが初めてだった。日本よりあと、は通例だったが、翌日か遅くとも2日後には電話する配慮を示していたから、約1週間遅れは同盟国に対する異例の「冷遇」である。
文在寅はメンツを失った。