両親が沖縄に建てた家で建築の面白さに目覚めた
――そしてラジオ好きに加えて、先程チラッとお話にも出ましたが、美大出身ということで、建築にも興味があるんですか?
中川 そうですね、好きですね。小さい頃からモノを組み立てるのは好きで、例えばガンプラとかは友達が難しいやつを持ってきて、それを作ってあげて、ちょっとお駄賃をもらう、みたいなことをしてました(笑)。
――(笑)。本格的に美大に入ろうと思ったきっかけってなんだったんですか?
中川 東京生まれの東京育ちなんですけど、高校時代の3年間は家族で沖縄に住んでいて、その時に両親が建築家の方に頼んで建てた家が、すごくおかしな家だったんです。その家を見て、建築に興味を持って美大に入りたいなと思いました。
――おかしな家!? 具体的にどんな家だったんですか?
中川 両親は農業をしているんですが、まず玄関がありませんでした。目の前が畑で、そこで収穫した野菜の仕分け作業をするのに玄関が狭いと手間だったので、縁側から出入りできるように作られていて。あと、2階まではコンクリートなんですけど、そこから上は木造になっていたりとか。
そこに住んでみて、建築っていろいろな形があるし、建築家さんのアイデアと力が反映されるんだなと思いました。でも本当に勉強をしたいと思ったのは、高3の夏ぐらいでした。
――え!? そこから本格的に勉強して入られたんですか? すごいですね!
中川 いえいえ。本気で志してからは本当に毎日めちゃくちゃ勉強と対策をして、それでやっとギリギリ滑り込んだ感じです。
――いやいや、めちゃくちゃ対策したからといって、誰しもが入れるわけじゃないですから。美大での生活はどうでしたか?
中川 よく話をするのは、高校の1クラスが30人いるとして、その中で1番変わってる人が1人ずつ集まって1クラスになったのが、美大、という感じです(笑)。課題は大変でしたけど、個性的な人が多かったので、そこは面白かったです。
卒業制作では最寄り駅の設計をしました
――中川さんの学科は、どういう課題が出たんですか?
中川 卒業制作では、駅の設計図を描きました。自分の最寄りの駅がなんか汚いなと思って(笑)。自分なりに綺麗にしたくて。でも、綺麗にするのは費用がかかりますよね。だから、渋谷の駅前にあるような大きな広告板を箱状にして、その中に公園を作って、その広告費で綺麗に保つというアイデアだったんですけど、建築の体(てい)は成してないですね(笑)。
――でも、しっかりマネタイズを意識しているのがすごいなと思います。中川さんが「これは良い建築だな」と思う建物はありますか? 例えば、東京でいうとココ! みたいな。
中川 文京区の椿山荘の近くに「東京カテドラル聖マリア大聖堂」という教会があるんですけど、そこはすごく好きです。上空から見ると建物自体が十字架になっていて。個人的に光の差し込みかたが綺麗な建物が好きなんですが、ここは天井の十字架の形から光が差し込んで、それが教会全体に広がって本当に美しいんです。昼間だったら、誰でも入れるのでオススメしたいです。
――ぜひ行ってみたいです。
中川 それで、ここに行ったあとなんですけど、自宅で両親の昔の写真を見ていたら、両親がそこで結婚式を挙げていて(笑)。びっくりしました。
――そのことを知らずに行かれたんですか。
中川 はい。なので、本当にびっくりしました。なぜ、ここで式を挙げたの? と聞いても、特に思い入れがあったわけではなかったそうで(笑)。でも、すごく運命的なものを感じました。東京以外で言うと、神奈川工科大学も良かったです。天井に天窓がランダムに配置されていて、そこから差し込む光と、光があたってない影の所のコントラストが綺麗で。撮影で伺ったんですが、前の日が雨で天井から雨のしずくがポタポタたれてきたのも良かったです。
――いろいろと聞かせていただきありがとうございます、中川さんの魅力が読者の方々にも伝わったと思います。最後に今後の予定をお聞かせください。
中川 ドラマ『ボイスⅡ 110緊急指令室』は最終話に向けて盛り上がってますので、ぜひ見ていただきたいです。あとメンズノンノのラジオもポッドキャストのランキングに入りたいなと思っているので、聞いていただきたいのと、10月16日に初めてのファンイベント『中川大輔 First Fan Event -SPACE-』を渋谷・シダックスカルチャーホールで開催します。テーマとしては、僕の家に皆さんに遊びに来ていただいて、一緒に楽しんでる雰囲気を作れたら良いなって思ってます。ご時世的に密にはなれませんが、心の密を感じていただけたらなって。
――初めてだとファンの方も待ち望んでいることでしょう。
中川 何より僕が本当に待ち望んでいました。こういう時代なので、皆さんのアカウント名はよく知っているのですが、実際にお目にかかったことがないので、皆さんとお会いできるのがとても楽しみです。皆さんに楽しんでいただけるよう、いろいろと詰め込みたいなと思っているので、参加された方が「今までにないイベントだったね」と思っていただけるような空間にしたいと思っています。
〇メンズノンノラジオ | MEN'S NON-NO WEB