満を持して挑んだ7回目、とうとうチャンス到来か!?

そろそろ釣れてほしい7回目。いきなりガツンとしたアタリがあり、針をしっかりかけようと合わせを入れたものの、すぐにバレて(針から外れること)しまった。悔しくて、悔しくて、すぐに船長室に行って「今のは何が悪かったんですか?」と質問。すると「何も悪くないよ。針がかかった場所が悪かっただけ。こればかりは仕方ないから、また次、頑張るしかない」と励まされた。同時に自信もついた。

これは確実にマグロに近づいている。次こそは絶対に釣る!!

私の鼻息は相当荒くなっていた。海況予報と仕事のスケジュールを見比べながら、次はいつ行けるのかチャンスを見計らう。今年は台風や強風に悩まされ、予定していても海に出られないことも多い。そして、シーズンも最終コーナーに入った10月。8回目の挑戦は台風の翌日だった。

台風のあとは、エサを食べそびれたマグロがお腹を空かせて待ってるんじゃないかと期待して出航。沖に出るといつもより船の数は少ないものの、それでも10隻くらいマグロ狙いの船が出ていた。船長は魚群探知機を見たり、鳥山が出ていないか遠くまで見渡したりと、真剣にマグロを探してくれている。

マグロの気配を感じると、船長がマイクを通して全員に狙うべき水深を指示。すると、みんなが一斉に指示された水深までコマセカゴを落とし、竿をしゃくってエサをまく。コマセカゴの位置を上げながら誘いあげてエサをまくことで、エサが浮遊する層ができる。その層の中にエサのついた針を漂わせ、エサをめがけて来るマグロを掛ける仕組みだ。ここでトンチンカンな水深でコマセをまくと魚が散ってしまうので、船全体の連携プレーになる。

船長は経験を元にマグロの反応を探して船をあちこちに走らせているが、今日はクルージングに来たのかと思うほど、何十分もクルージングが続くことも。10時ごろ、僚船で一本釣れたとの情報が入り急遽そのエリアへ。よし、ここで決めるぞ! と頑張ってみるものの、結局ダメであっという間にお昼に。

▲クルージング中は景色を見ていたり、体力温存で寝ていたりする

もうダメだ。次はいつ行けるか……なんて考えていたら、また僚船でヒットしたとの情報。船長は大急ぎでその船の近くまで移動。今日はこれが最後のチャンスになるのだとわかった。