諦めていないけど限りなく諦めモード。すると突然!

すっかり諦めモードに入り、半分片付けをしながら次はどうしようかと考えた。そのとき、とっさに仕掛けを変えようと思い、浮力の調整ができるフロートパイプをつけた。このくらいで違いがあるのかと、これまでフロートパイプを信用をしてしなかったのだが、こうも釣れないと試してみたくなる。早速つけて船長が指示する水深まで落として7分ぐらい待ったころ、コソッと違和感があった。

▲マグロのような大きな魚は屈強な大きな釣り針で釣っているイメージがあると思いますが、100円玉と変わらない大きさの針で釣ります

マグロはズドーンと豪快なアタリが来ることもあれば、まるでアジくらいの小さな違和感のこともある。おっ? と思って、急いで竿を合わせたら空振りをしたような軽い感触。もしかしたらお隣さんとおまつり(糸がからむこと)だったのかもしれないと思い、電動リールをオン。すると途中から全く動かない。おや、何?? と思っていたらお隣さんが大きな声で「マグロだよ!!!」 おそらく針にかかった瞬間、マグロが高速で水面に向かって泳いできたことによって、最初は全く重みを感じなかったのだ。

マ、マ、マグロだーーーーーーーーー!

マグロは広範囲を大暴れしながら泳ぐため、おまつりを防ぐためにも誰かがマグロをかけたら巻き上げるのがルール。つまり、私がマグロを釣り上げるまで、みんなは釣りをすることができなくなり待機となる。みんなの時間も使うのだから、絶対に釣らないとならないプレッシャーがきた!!

船長も即座にマイクで「みんな、あげてください!!!」とアナウンス。

途中までは電動リールがウィンウィンと唸りをあげながら頑張っていたのに、急にプツンとおとなしくなり動かなくなった。見たら電源が落ちている。どうやら私の道具の管理が悪く、電気を取り入れるクリップの部分が故障して電気通さなくなったのだ。電動リールの馬力に頼ることができなくなった。ものすごいマグロの力に、自力で立ち向かいリールを巻くしかなくなったのだ。

電気が通っていれば、糸が何メートル出ているのか表示されるが、その指標も無くなった。一旦、マグロが100メートルくらい走り糸が出たが、あともう一息な残り20メートルまで巻き上げたのに、また80メートルぐらい走られて。1歩進んで2歩下がるという状況が続く。

まさかの招かざる客が登場

マグロは80~90キロの速さで走ると言われていて、一度走り出すと止まらない。みんなの応援のもと、もう必死こいて、大汗をかきながらリールを巻き続ける。あと10メートルくらい……まで巻き上げたところで、海面には2匹のサメが登場。2~3メーターはありそうな大きなサメが、ウロウロと旋回しながらマグロを横取りしようと狙っているのだ。

船長もみんなも“サメには食わせるな”と、船上でマグロを引き上げる態勢は万全。あとはいかに早く私が釣り上げるか。とにかく必死に船べりまでマグロを寄せたところで、同船の男性が2人がかりで、ヨイショー! と船の中に入れてくれた。ギリギリでサメに食べられることなく、釣れた!!!!! 

歓声が響き渡り、私もひとまず安堵。今年も釣ることができた。本当にうれしい。針にかかってからマグロがあがるまで約18分。やり切った!!! これで今年の夏のやり残しが無くなった。

▲長さは私の身長と同じくらい! 43.05キロ!

船宿に戻ると、ほかの釣りものお客さんからも「おめでとう」と声をかけられる。重さを量ったら、43.05キロ。去年よりは小さくなっちゃったけど、指標にしていた20キロ以上は達成できた。船宿で5枚おろしにしてもらい、頭も含めて持ち帰ることに。

▲心臓をお刺身で食べられるのは釣り人ならでは

帰り道、マグロ釣りの魅力について考えてみた。マグロ釣りの船には“なんとなく乗ってみた”という人はいなく、全員の気合がすごい。知らない人同士でも船全体の一体感があり、チームプレイもある。そこに生まれる緊張感が好きなんだなと思った。なにより、大きい魚を釣るとみんなに配れるし喜んでもらえるのもいい。来年は最初から手巻きのリールでトライしようという新たな目標もできた。

▲自宅のキッチンでもマグロと格闘(ビフォー)
▲(アフター)の一部

早速、友達を呼んでマグロを振る舞う会を開催。メニューは赤身、トロのお刺身、煮つけ、アボカドと赤身の和え物。そして釣りものならではのメニューとして胃袋も。一度湯がいてから酢味噌で和えたら大好評。脳天の部分をステーキにして出したら、みんなが美味しい美味しいと、喜んでくれるのがうれしくてたまらなかった。やっぱり、釣りもマグロも最高! 来年も頑張る!!

▲お料理の一部をご紹介。いろんな食べ方で楽しみました

プロフィール
 
吉野 七宝実(よしの・しほみ)
1991年3月5日生まれ。千葉県出身。競輪専門チャンネル『SPEED』のキャンペーンユニット『スピーチーズ』のメンバーとして活動。その後、西口プロレスのラウンドガールユニット『西口向上委員会』のメンバー、AbemaTV『ピーチちゃんねる』のレギュラーレポーターを務めた。現在はグラビア活動のほかに釣り具ブランド『HUNT』のプロデュースなど活動は多岐にわたる。