夜の銀座でクラブのオーナーママとして約40年、数多くのVIPやビジネスマンを接客してきた伊藤由美ママが、頑張っているのに結果が出ない人、不運を嘆く人の共通点を指摘してくれました。人生の価値を高めるためにお金を使えること、きれいに潔く身銭を切れることもまた「粋」な振る舞いのひとつです。

本記事は、伊藤由美:著『「運と不運」には理由があります 銀座のママは見た、成功を遠ざける残念な習慣33』(ワニ・プラス:刊)より一部抜粋編集したものです。

お金には「活かす」使い方と使いどきがある

お金の使い方には、その人の“人となり”や考え方が如実に表れます。

あまりにもお金に執着し過ぎて、必要なものを買うときや、自分で払うべきお金さえも出し渋る人。自分が払うお金を減らすことばかり考え、如才なく他者の出費ばかりを当てにする人。こういう人のことを世のなかでは「ケチ」と呼びます。

決して「お金を貯めること」を否定しているのではありません。

“宵越しの銭を持たない”ような無計画でだらしないお金の使い方では、大人としての金銭感覚を疑われてしまうでしょう。暮らしのなかで無駄を見直し、賢く節約・倹約して不必要な出費を控え、将来に備えることはとても大切です。

ただ、お金には「活かす使い方」と「活かす使いどき」があると思うのです。

お金は「欲しいものや、やりたいことを叶えるための道具」だと言われます。道具は上手に使ってこそ、その価値を発揮するもの。道具をうまく使いこなせる人ほど成功するものなのです。

お金は上手に使ってナンボ、活かして使いこなしてナンボのもの。そう考えれば「活かすべきときに備えて貯め、そのときが来たら潔く使う」というのが、お金に対する正しい向き合い方なのではないでしょうか。

▲お金には「活かす」使い方と使いどきがある イメージ:PIXTA

お金には「生き金」と「死に金」の2種類あると聞いたことがあります。

生き金とは「自分にとって価値のあるお金、人生にプラスをもたらすために有効に使われるお金」のこと。

そして死に金とは「自分に価値をもたらさない、プラスにならないことに無駄に使われるお金」、さらには「貯めてあるだけで使われないお金」のことなのだとか。

もちろん何に価値を見出すか、何を人生のプラスと考えるかは人それぞれ。ですから「何にお金をかけるか」も十人十色で当たり前です。

車が好きな人は自動車関係に。「食べるのが生き甲斐」という食通は飲食代に。「旅こそ人生の楽しみ」という人は旅行に。「“推しアイドル”に人生を賭けている」という人はその子を応援するために。キャリアアップしたい人は資格取得の勉強のために。語学力を高めたい人は語学学習のために。

自分が好きなこと、自分が好きなもの、自分が好きな人のために。自分がやりたいこと、自分がなりたいもの、自分が手に入れたいもののために。

こういうところに使うお金は、その人の人生を充実させ、満足度を高めてくれる価値ある「生き金=活き金」になります。逆に言えば「生き金」を使えている人は、仕事もプライベートも活き活きと充実しているということにもなるでしょう。

▲「生き金」を使えていますか? イメージ:maruco / PIXTA