見ていると中華鍋が欲しくなる中華キャンプ飯

最後におすすめするドラマは、もともとはYouTubeドラマで配信されていた『おやじキャンプ飯』。先に紹介した2つとは違い、主人公が各地へ旅に出るわけでなく、同じキャンプ場に長期滞在しキャンプ生活をしている、というストーリー。この主人公が不愛想で無口なオヤジなんですが、ものすごくいい味をだしている。

元中華料理屋の店主という設定なので、登場するご飯はキャンプ飯の域を超えています。とにかく、中華キャンプ飯がおいしそうなドラマなんです! 鮮やかに中華鍋を振るシーンは必見です。

私はバイクキャンプなので、キャンプ用の調理器具や調味料は必要最低限しか持っていきません。しかし、この主人公は元中華料理屋&車ということもあり、中華鍋やお玉、さまざまな調味料を揃えています。カップラーメンも調味料で味変してみたり、本格的な炒め物や炒飯を作ってみたりと「キャンプでこんな料理を作れるんだ~」と感心してしまいます。

主人公は基本、焚き火の炎で調理をします。やかんが黒くなることを気にせず、焚き火の上に直接置くところもワイルド。たしかに、中華料理って火加減が重要で、強い火力で一気に炒めるので、焚き火の炎は中華鍋を振るのに最適なんですね。焚き火の上に鍋を置くと、“すす”で真っ黒になるので私は絶対にやらないのですが、中華鍋なら気にする必要もないし、炒め物でも、スープでも、炒飯でもなんでも作れるし、中華鍋1つあれば大抵の料理は作れます。

見ていたら、私も中華鍋が欲しくなっちゃいました。バイクでの持ち運びには向きませんが……。

そしてもうひとつ、オススメのポイントがあります。この作品はあちこち転々と旅をするわけではなく、京都にある林間のキャンプ場が舞台。京都の美しい風景も見どころのひとつです。清流や里山の風景、星空などの美しい景色がたくさん登場します。大自然に囲まれ、時間にとらわれることなく、気ままにキャンプをする。

作中ではのんびりとした時間が流れています。こんな贅沢なことってないですよね。それと焚き火。焚き火ってずっと見ていても飽きないんです。炎の揺らめきを見ていると、なんだか落ち着く。焚き火のシーンもたびたび登場するので、見ていて心がほっとします。余計なBGMがないので、映像がすっと入ってくるところがすごく良いです。

キャンプって、こだわるポイントや楽しみ方は、人それぞれ違うと思います。このドラマは有名なキャンプギアが出てくるわけでもないし、見た目がオシャレなわけでもない。自分のスタイルをもって、自分のキャンプを楽しんでいる男性の物語。

キャンプってそれでいいんですよね。作品では、出会う人々や娘との心温まるやりとりも描かれています。正統派キャンプドラマとはまた違いますが、見ていてホッとさせられるあたたかい作品です。現在、YouTubeで和歌山編がスタートしました。

▲お家で旅行気分を味わってみては? イメージ:takeuchi masato / PIXTA

旅をする目的も手段も違う3作品ですが、どの主人公も旅を楽しんでいる様子が描かれていて、見ていてワクワクさせられます。日本各地の素敵な風景はぜひ見てもらいたいポイントです。見ているうちに、次に行く旅の妄想が膨らみますよ。皆さまも、お家で旅行気分を味わってみてはいかがでしょうか。