人生を変えたロンドンブーツ1号2号との出会い
そんなある日のこと、大きな仕事が決まった。
『ロンブー龍(ドラゴン)』(日本テレビ)という、今でも大人気のロンドンブーツ1号2号さんの番組の1コーナーのオーディションに受かったのだ。この時はみんな喜んでくれた。
コーナーの内容は、ロンブーさんと一緒にロケに行って、当時流行っていた「ギャル」にインタビューして、ギャル語をロンブーさんが面白い言葉に変えるというものだった。
俺に与えられた役割は、街でギャルを捕まえてギャル語を引き出すこと。ロンブーさんがその言葉に似た面白い言葉で落とす、という流れだ。
例えば、ギャルが「チョベリバ」と言えば、俺がロンブーさんに「『チョベリバ』きました!」と振り、ロンブーさんがそれを上手に料理してくれる。
当時からロンブーさんの人気は凄まじく、渋谷や池袋の街がパニックになったことを覚えている。
人気があることは知っていたが、実際にご一緒すると、ロケ先での素人イジリがとにかく面白かった。素人をたくみに操り、面白いエピソードを引き出し、決定的な面白ワードで笑いをとっていく。
下克上の芸能界で、若くして名をなした天才たちの本領を見た気がした。
ロケは毎回楽しかった。だが、俺は次第に自分が芸人という生き方に憧れていることを感じていた。芸人の世界はいたってシンプルだ。「面白い人が売れる」世界。役者やタレントより、売れ方がハッキリしていて俺好みだし、その生き様はかっこいいと思った。
ロンブーさんは俺とも気さくに喋ってくれて、こんな人気者と一緒に仕事ができてうれしいと素直に思った。
あれから23年。また一緒に仕事したいとずっと思っているが、これまたロンブーさんと再びお会いする機会には恵まれていない。
もしロンブーさんにお会いできたら「20年以上前に一緒にロケをやらせていただいてました!」とご挨拶したい。
あれだけの仕事をこなしてきたロンブーさんだけど、「あの時の君か! 覚えてるよ!」なんて盛り上がって、あわよくば番組に呼んでくれないかなと思っている。
(構成:キンマサタカ)