毎日のこだわりルーティンが超人的だった!

――ずっとスタイル抜群のイメージですが、むしろ今のほうがいいんですね。

 今のほうが仕上がってます! 写真を撮っていただくためにトレーニングしたわけではないのですが、写真を見ると自分の全容がわかるじゃないですか。背中なんて特に自分で見ることはないので、写真で確認して、“ちょっと仕上がり過ぎた?”みたいな気持ちもあります(笑)。ようやく自分がコツコツやってきたことが披露できる状態になったと言いますか。キックボクシングも2年半前からやっています。

別にムキムキになりたかったのではなく、体幹、インナーマッスルを鍛えようと思って。やればやるほど、体の形はもちろん、思考がそれ基準になってくるんです。毎朝、歯を磨いたり、顔を洗うのと一緒で習慣になってくる。だいたい一日にやるべきこと、自分に課しているものがあるんです。お風呂に入る前に洗面所で斜め腕立て伏せ60回、シャドウボクシングをワンツーで100回。お風呂に入ったらアロエ塩でマッサージして、カッサで洗い流す。これだけは毎朝、どんなに眠くてもやります。

40代後半ぐらいからある程度、努力しないと劣化してしまう。頑張らないと追いつきません。やらないともうキープできなくなっちゃうという恐怖心もあります。自分のことはわかっていますから、今日休んだら明日もやらない。その代わり、続けられる回数しかやらず、無理しないようにしています。もしかしたら、自分のことを実験しているのかもしれないですね。“これだけのことをやったら、こうなる。これをやったらダメ”って。マイナスになることは排除していく傾向にあります

▲撮影 : 市川宝

――食生活にもこだわりがありそうですね。

 私の日常を知ったら、面倒くさい人だと思われるかもしれません。朝、食べるものも決まっています。朝は旬のフルーツの盛り合わせ。それからカスピ海ヨーグルト。ヨーグルトはもう20年以上、自分で作っています。一時、流行りましたよね。あれからずっと継続している数少ない1人です(笑)。

そこに豆乳を入れて、さらにスーパーフードを加えます。私の場合、全部、ボトルに入れて、かごに収納しています。それを見たら驚かれると思うんですけど、パウダーだけでもマカ、タイガーナッツ、アサイー……。ナッツ系はアーモンド、ピーカンナッツ、ブラジルナッツ……。ドライフルーツはクランベリー、インカベリー、プルーン、カシス……20種類くらい。最後にマヌカハニーを混ぜて、必ず毎朝いただきます。

――1日何食なんですか!

 そんなふうに食事にも異常なぐらい気遣っているのですが、その代わり、スイーツやパンといった自分を甘やかすものは別なんです(笑)。やっぱりストレスがたまっちゃいますから。だから、あんまり“100%ギンギンにやってます!”じゃなくて、“今日はこれをやったからいっか。その代わり運動をしよう”といった感じで、アメとムチじゃないですが、ムチ、ムチ、アメぐらいのバランスでやっています。

――肌のためには何かされていますか。

藤 美顔器とヘアマッサージ器はいいものを買って持っているんです! でも、気づいたら、電池が切れてたり(笑)。そういうところは真面目じゃないんです。よっぽど、コンディションが良くないときはやるんですが、そこまで悪くなることはそうはないので、月に2回ぐらい登場するかどうか。何もかもストイックすぎてもちょっと楽しくないですから。

LINEもしなかった自分がSNSにハマったのは愛猫のおかげ

▲撮影 : 市川宝

――藤さんといえば、最近は飼い猫のマルくんとオレオちゃん(通称・マルオレちゃん)が話題沸騰です。

 もう、かわいくって(笑)。本当に私の人生を変えた子たちです。プライベートはもちろん、仕事の面でもプラスになっていると思います。ロケに行ったりしても、見知らぬ若い女性から『マルオレちゃん、見てます』と声をかけてもらうことも増えて、今までなかったような触れ合いができ、私自身、感動しています。マルオレ様様です

――ファン層も変わってきたのではないでしょうか。

 今までのファンの方々は、年齢が高めの特に男性が多くて、活動もコンサートが中心でした。それがコロナ渦になり、おうち時間が増えて、これまでのような活動はなかなかできなくなりました。これまでは、時間さえあれば外に出かけていた人間なのに、料理やマルオレちゃんたち中心の生活に自分自身が楽しみを見つけてしまったんです。

きっと皆さんもそうですよね。もともと料理が好きだったこともあり、楽しいことを皆さんに発信したくて写真を出したり、Twitterでコメントを書いたり。なんとか一緒に乗り越えましょうという思いで、自然な流れでした。私自身、新しいことって本当は苦手で、LINEもしないし、携帯もどこかに置き忘れたり、全然身についてなかったんです。

それが、マルオレちゃんのおかげで常にスマホがそばにある生活になり、人間、こんなに変われるんだってくらい、すごくマメになりました。お友達の坂本冬美さんが本当にマメな方で、普段『マメちゃん』と呼んでるんですけど、彼女から『マメちゃんの名前、譲ります』って言われるくらい(笑)。やっぱり、マルオレちゃんのかわいい瞬間を撮りたいし、それを見た皆さんのコメントなどの反響もうれしいですから。

――先日のスーパー猫の日もそうでしたが、マルオレちゃんのチャリティーグッズも盛り上がっていますね。

 グッズの包装も、宛名書きも自分でやっているのですが、全国津々浦々、幅広い年齢層の方々から注文をいただくので、宛名を書きながらうれしくなってしまいます。若い方特有のかわいらしいお名前だと、“こんなに若い方が買ってくれたんだ”とか。あるいは自分がコンサートでも行ったことのない地域だったりすると、どんな町なんだろうと想像してみたり。地道な作業も全然、苦になりません。みんながチャリティーに参加してくれる喜びのほうが大きい。きっと自分自身、なんでも楽しみながらプラスにしちゃう能力が高いんだと思います。

――まさか、包装や宛名書きまで藤さんがしていたとは……。

 自分の両親の影響で、何か困っている人がいたら助けたい、フォローしたいという気持ちは、もともと強いほうだとは思います。でも、マルオレちゃんと出会ったことで、それがさらに加速しているようです。これまでは保護猫というワードすら知りませんでした。たまたま夫のお母さんが捕獲した猫、言ってみれば野良猫が子猫を産んで、4匹のうち2匹を引き取った。

そこからスタートして、保護猫活動しているボランティアの方々から、学ぶべきことがたくさんあって。“この子たちが幸せになれたように、もっともっと救ってあげられることはないかしら”と考え、チャリティーを思いつきました。秋田県と山梨県のふるさと大使をやらせていただいているので、この前は子ども用Tシャツを、そちらの乳児院の子どもたちに100数十枚、プレゼントでお送りしました。

猫ちゃんだけじゃなく、支えたい、手を差し伸べるべき存在に何かできないかなと思ったんです。乳児院の小さなお子さんたちが、マルオレちゃんのTシャツを着ている写真を送ってくださって、それ見たときに自分がやれる範囲で、今後もこういう活動をしていきたいとすごく思いました。無理なくできることをしていきたいと思っています。

▲撮影 : 市川宝