若者の抱える「生きづらさ」を“言語化”してくれた

「おわりに」で、キム・スヒョン氏は、私たちに(そして自分自身に向けて)、こんなメッセージを贈っている。

「大人になってみると、この世の中は冷酷な場所だと知った。不条理なことばかりで、人々は必要もないのにお互いのあいだに線を引き、暇さえあれば差別と蔑視を楽しんでいる。(中略)この冷酷な社会のなかで、私はみじめになりたくなかった。かといって、冷酷な人間にもなりたくなかった。」

「冷酷な社会で人間性を失わずに生きていくために、私たちは自分自身にもっと目を向けたほうがいい。不当や侮辱や不安に対して、堂々と立ち向かったほうがいい。(中略)

ごくふつうの人間が、自分が自分であることをうらむことなく、冷たい視線に耐え抜いて、ありのままの自分として生きていくために。あなたが少しでも自由になれたら、うれしい。今日もそれぞれの人生を生きていく私たちに、健闘を祈る。」

▲梨泰院エリア 出典:popopo / PIXTA

日本の読者からも「よくぞ、言いたいことを言ってくれた!」「もやもやが言語化されたようだ」「共感しかない!」といった感想が寄せられたのは、言うまでもないだろう。『私は私のままで生きることにした』は、発売から3年以上が経過した今も、生きづらさを抱えて疲弊する、多くの人たちへ「そのままの自分を大切に」と、エールを送り続ける。

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