『CR稲川淳二』がパーラー・ドンキホーテに!?
「高尾の台はにぎやか」というイメージを最初に与えたのは、『カイジ』の役モノや疑似連のしつこさですが、それがうまくハマったのが、『怪談ぱちんこ CR 稲川淳二』と『CR貞子3D』や『CRリアル鬼ごっこ』などのホラー路線で、当時は大きく開花しました。
ボクのマンガで一番大きく取り上げたのは『CR稲川淳二』です。それも8年前の話ですから、よほど高尾の台にツラい印象を抱いている方が多くて、近づかなかったと思われます。
稲川淳二さんの怪談ライブはTVで初めて見たのですが、“生き人形”の話をしたオールナイトフジの映像を今でも大切に保存しているほどの大ファンで、ついには池袋に人形劇を見に行ったくらいです。「浄瑠璃のように大きめの人形を黒子が操って、そのお人形が泣いたりおしっこをする」というウワサが広まっていたからです。
話を『CR稲川淳二』に戻しましょう。大当り確率392分の1の継続率81%くらいだったと記憶しています。なんともカラフルなホラー台で、2・5・9で“じ・ご・く”のゴロ合わせや、13・13・4で“いまいましい”、3・5・9で金の“ざんこく”で大チャンスでした。役モノと連動する人形・お菊の赤い眼玉が忘れられません。実機を買っちゃおうかと思ったくらいです。
もし買っていれば、「パーラー・ドンキホーテ」唯一の高尾の台ってことになります。エヴァシリーズや、仕事人シリーズ、牙狼やAKBに冬ソナにウルトラセブンと実機を買い漁っているドンキホーテのコレクションに、『CR稲川淳二』が入ってたかもしれないのです。
最近では、『一騎当千』や『クイーンズブレイド』の萌え系タイアップで人気をキープしていた高尾の歴史は20年ちょっとですが、こうして思い返せば出てくるものですね。どうしても販売台数が少ないと、ホールの利益優先になるのがメーカーの常です。「高尾は辛いから打たない」と決めてかかっているようなお客さんが多いのは悲しい現実です。
どこかで、たとえ演出はつまらないけれど、出玉がすごいからと『P Re:ゼロから始める異世界生活』(大都技研)のようなヒット台が出せていれば、きっと高尾の運命も変わっていたことでしょう。
今回は高尾一色のお話になりましたが、ホールの片隅で、『CRブルースリー』や『CR美男ですね』や『CR稲川淳二』をひっそりと打っていたドンキホーテがいたことだけは知っておいてほしいのです。