有名ファッション誌の表紙を手掛ける大人気フォトグラファー・竹内裕二氏が、自身初の作品集を刊行。少年時代の記憶をたどるように撮影したという、野球の本場であるアメリカの風景を収めた本作は、野球好きにはたまらない一冊に仕上がっていた!
父に連れていってもらった広島市民球場の記憶
広島県出身のフォトグラファー・竹内裕二氏による初の作品集『ROOT ROOT ROOT』が6月8日に発売された。有名ファッション誌の表紙や大手企業の広告で、名だたる有名俳優・モデルを撮影する竹内氏だが、本作は自身がこれまで撮りためてきた野球の本場アメリカの“野球観戦の風景”をまとめたものだ。
野球の“プレー”ではなく“観戦”が撮影対象のため、普段私たちがテレビ中継で目にするグラウンド以外の部分を撮影した作品が大半で、野球好き、なかでも「野球場マニア」必見の内容となっている。
こうした作品を撮り始めるきっかけとなったのは2006年、仕事でたまたま訪れたサンフランシスコで、初めてメジャー・リーグの試合を観戦した日だ。もともと根っからの野球好きだった竹内氏だが、このとき、かつて父に連れていってもらった広島市民球場の記憶が蘇ったという。
球場に向かうワクワク感、球場の大きさ、芝生の美しさ、ホットドッグのうまさ……。場所も文化も、何もかもが異なるアメリカなのに、市民球場の熱気や、カープうどんの味を想起させた。自身の「原風景(=ROOT)」と野球の「原風景」が重なった瞬間だった。
それ以来、竹内氏は、アメリカを訪れる機会がある度に球場へ足を運び、思い思いに野球を楽しむ人々を、少年時代の記憶をたどるように撮り続けた。
日本に住む人のなかで、アメリカで野球観戦をした経験のある人は圧倒的に少数派だ。にもかかわらず、本作に収録されている作品ひとつひとつから懐かしさを感じるのは、撮影者の想いがファインダー越しに伝わってくるからだろう。
刊行にあたり、映画監督で竹内氏の友人でもある西川美和氏からは「こんなに幸福な風景はない。これは天国の写真集だ」と大絶賛するメッセージが寄せられた。
竹内氏は、本作について「写真を通して原風景を行ったり来たりできるのが、写真の面白さであり楽しみなのだと思う。この写真たちが、手に取っていただいた方々の原風景を掘り起こすきっかけになることを願っている」と語る。
「自分探しの旅」をするには、まだまだハードルが高い昨今。本作を手に取り、自分の“ROOT”を探してみてはいかがだろうか。ちなみに、6月18日と19日には広島市の「ref.02」では、写真集発売記念イベントも開催される。
ROOT ROOT ROOT 写真集発売記念イベント
場所:ref.02
住所:広島市中区袋町8-18
日時:2022年6/18(土) ・6/19(日)
6/18(土) 19(日)の二日間は、写真集発売記念イベントと銘打って、竹内裕二氏が在廊予定です。いずれかの日にご来店して写真集をご購入いただいた方には、オリジナルプリント写真一枚プレゼントと直筆サイン会に参加可能。
また「ROOT ROOT ROOT」額装作品ご購入いただいた方へは、直接、竹内裕二氏から額装作品をお渡しいたします。
※予約不要
詳しくは直接お問い合わせください。
・store@refnet.tv
・082-569-8888