川畑座長の「またやります!」という言葉に拍手喝采!
その後も、笑いを禁じられた新喜劇と笑顔を禁じられたNMB48が、日常を取り戻すために奮闘する様子が、コント・ダンス・ミュージカルで次々に描かれるのですが、とにかくテンポがいい!
まとめサイトやまとめ動画が幅を利かす昨今、長時間の舞台や映画は敬遠されることもあるのですが、『ぐれいてすと な 笑まん』に中だるみは一切なし。裏を返せば、相当な稽古を積んだ証明でもあるわけで、ゲスト出演を務めた、かまいたちの濱家さんの「ハードな稽古内容で怯えました。自分だったらマネージャーにお願いして降りてるだろうなと思います。NMB48は、やり遂げる子たちばかりなので、ぜひ見に行ってあげてください」というコメントが、ネタなんかではなくガチなんだと悟りました。
そしていよいよフィナーレ。ゴールドをあしらったタキシードと赤のゴージャスなドレスに身を包んだダンスは本当にまばゆい限り。さんざん笑わせてくれた新喜劇の面々も本気のそのもので、50歳が近い記者は、川畑座長、すっちー、島田珠代、そして御年75歳の“ゆみ姉”こと末成映薫の真剣なダンスに思わず涙してしまいました。
そして、NMB48が見せてくれる笑顔は本当に自然で、「あぁ、メンバーたちも心底、この舞台を楽しんでいるんだ」と感じて、記者もいつしかニッコニコの笑顔になっていました。
いよいよ舞台は大団円へ。全員がひとことずつ感謝の言葉を観客へ伝えたのですが、特に記者の心に響いた言葉を紹介します。
「年齢もキャリアも関係なく挑戦できた。皆さんも何かひとつでも挑戦しようと思ってもらえれば」(渋谷凪咲)
「50年フラフラ生きてきて、頑張るのはカッコ悪いと思っていたけど、今回は一生懸命頑張った」(すっちー)
そして、みんなが口にした「すごく楽しかった」「終わっちゃうのが寂しい」という言葉は、まさに会場のお客さんも感じていたこと。川畑座長の「みんなが楽しいと言っている、その10倍楽しかった。また絶対にやります!」という力強い宣言に、満員の会場はスタンディングオベーションで応えました。
満足感に包まれた帰宅の途、開演前に話を聞いた男性に、人形町の駅でばったり会いました。あらためて聞いた感想で、このレポートをしめたいと思います。
「これから大阪に帰るんですが、本当に東京まで来てよかったです。笑いを禁じられた新喜劇と笑顔を禁じられたNMB48というコンセプトって、コロナ禍のなかで生まれたと思うんですけど、あれって彼ら彼女らの心の叫びでもあると勝手に思っていて。でも、そんな不安を吹き飛ばす質の高い内容だったでしょ? 1回目より2回目、2回目より3回目が楽しかったです。回を追うごとにより楽しくなる舞台ってほかにないですよね。川畑座長の最後の言葉、信じています!」