長すぎるキャリアが感情の露出を妨げてきた
そんな「美学」が構築されていった裏には、長い芸歴という彼女のバックボーンが存在した。アメフラっシのメンバーは前身の3B junior時代からカウントすると、もう5年を超えるキャリアを誇るが、愛来がスターダストプロモーションに入所したのは2011年のこと。彼女はまだ9歳だった。
「だから、昨年の12月で17歳を迎えたとき『やっと!』って思いましたもん(笑)。長かったですよね、ここまで。そもそも私の場合、ちょっと特殊な入り方をしていて、オーディションに申し込んだわけでもなければ、街でスカウトされたわけでもないんですよ。親の知り合いにカメラマンの方がいて、その方に写真を撮ってもらったことがあったんですけど、その写真を見たスターダストから連絡があったみたいで、私はわけもわからないまま、芸能界に入ることになったんですよ。
そもそもアイドルに憧れていたわけでもなかったし、小さいころは男の子寄りの生活っていうか、外で遊ぶことが大好きだったので、テレビとか芸能界にはまったく興味がなかったので『芸能人になった』という自覚も薄かったんですよね」
入所すると、さっそく小中学生で構成されたアイドルグループ『みにちあ☆ベアーズ』に加入。チアリーディングをモチーフとしたグループで“紳士”と呼ばれる大人のファンたちを応援して癒す、という独自のポジションを確立していた。ファンの似顔絵をその場でメンバーが描く特典会を知ったときには「その手があったか!」と驚いたほどインパクトがあった。
「ただ、まだ9歳だったじゃないですか? あまりにも子供過ぎてファンの方がなかなかついてくれなかったんですね。お客さんはお姉さん組にたくさんついていくので、特典会では行列もすぐに途絶えて、結構、辛い思いもしました。
その後『KAGAJO☆4S』というグループにも加入するんですけど、まだプロ意識みたいなものは芽生えなくて、ほとんど習い事に近い感覚でアイドルをやっていましたね。親からも「もっとちゃんとやりなさい」と注意されたりもしましたけど、アイドルに憧れていたわけでもなかったから、あんまりピンと来なくて。
だから3B juniorがスタートしたときには、正直「この環境、怖い……」って思いました。アイドルになりたくてオーディションを受けてきたメンバーはやっぱりギラギラしていたし、日々のレッスンも結構、キツかったんですよ。そんな中で『奥澤村』(ももいろクローバーZ・高城れにがプロデュース)というユニットに加入して、れにちゃんのソロコンサートのバックで踊るようになったりしたことで「自分、ヤバいな。いままで適当すぎたな」ってはじめて感じることができたんです。だからキャリアは長いですけど、アイドルというものに本気で取り組んだのは、本当にここ数年のことなんですよ」
その「遅れてきた本気度」が強すぎるがゆえ、そしてキャリアが長すぎたことも影響して、愛来は人前で泣くことを「恥ずかしい」と感じるようになってしまった。
だが、僕が彼女の大粒の涙を見たのは、今年になってもう2回目となる。
もう1回は1月19日、横浜アリーナのバックステージでのこと。
人知れず愛来は号泣し、それを慰めるアメフラっシの3人……そんな光景を目撃したのは、このインタビューのわずか数日前のことだった。
【連載3回目の追記】
インタビューでは大粒の涙を見せた愛来。ただそれはけっしてはじめてのことではなかった。次回は1月19日の横浜アリーナに針を戻し、そこでも人知れず号泣した愛来の胸の内をお届けする。
<アメフラっシ今後のスケジュール>
※下記のイベントは変更となる可能性があります。
最新情報は「アメフラっシ」公式サイトでかならずご確認ください。
◎https://www.amefurashi.jp/
2月27日(木)
下北FM「DJ Tomoaki’s Radio Show!」
出演:市川優月・小島はな
会場:SFMホール(スタジオベイド下北沢店)
2月29日(土)・3月1日(日)
「2020 スーパージャパンカップダンス」スペシャルライブ
会場:幕張メッセイベントホール
3月14日(土)
IDORISE FESTIVAL 2020-DAY-
会場:TSUTAYA O-EAST、TSUTAYA O-WEST、TSUTAYA O-nest、TSUTAYA O-Crest、duo MUSIC EXCHANGE、club asia 、WOMB (※7会場連動)
3月15日(日)
H.I.P.presents「GIG TAKAHASHI tour 2020」※オープニングアクト
会場:新宿BLAZE
3月18日(水)〜22日(日)
五反田タイガー 7th Stage「WORKER ANTS と 働かないアリ」
出演:愛来・鈴木萌花
会場:CBGKシブゲキ!!