国家の命運を外国に委ねるな! 独立国としての「フリーダム(freedom)」を、外国と官僚に依存した戦後体制によって奪われている日本。国際情勢や国内の諸問題を通じて、真の「フリーダム(freedom)」とは何か? 『日本は誰と戦ったのか』(ベストセラーズ)で第1回日本再興大賞を受賞、第20回正論新風賞を受賞した江崎道朗氏が日本再建の道はどこにあるのかを示す!

自衛権の行使に及び腰の日本政府

平成17(2005)年頃、韓国のある政府関係者から恐ろしい話を聞きました。

もし北朝鮮が突然、韓国を攻めてきたら、韓国軍は、福岡に陣取って反撃の体制を整えることを検討している、というのです。

「福岡は、日本の領土だ。そんな勝手なことが許されると思っているのか」と反論したら、こう言い返されました。

「朝鮮戦争のときは、北朝鮮軍の侵攻に押されて、釜山まで後退したことは知っているだろう。そこで韓国政府としては、万が一のことを考えて、反転攻勢の拠点を福岡に置こうと考えている。福岡には、在日朝鮮人がたくさん住んでいるだろう。戦争相手の北朝鮮人から、在日の韓国人を保護するという理由で韓国軍が福岡に進駐するのだ」

これは非公式の会話であって、韓国政府がそうしたことを検討しているとは限りませんが、自国の平和と独立を守るためにあらゆることを考えておくのが政府の責務です。韓国政府が検討していたとしても何らおかしいことではありません。

では、韓国軍が福岡にやってきた時、日本政府はどうするのでしょうか。

仮に福岡に進駐した韓国軍が、北朝鮮人と間違えて日本人を拘束したり、殺害したりしたとしても日本政府は恐らく「抗議」しかできないでしょう。

しかも日本国内には、北朝鮮のテロリストが潜伏していますので、彼らが韓国軍を攻撃すれば、福岡の市街地で戦闘が起こり、日本人が多数殺害されるかもしれません。

韓国軍が福岡に進駐するのを事前に防げばいいではないか。そんな意見もあるでしょうが、それもまた困難です。

日本は「専守防衛」と言って、「日本からは決して外国を攻撃することはせず、外国から日本が攻撃されて初めて反撃する」という防衛方針を掲げています。

よって韓国軍が軍用機で福岡に来襲してきたら空自機がスクランブル発進して、日本の領空に入らないよう警告するでしょうが、警告を無視して韓国の軍用機がやってきた場合、日本政府は、撃墜することができるのでしょうか。

「韓国の軍用機を撃墜しろ」と命令することは、韓国と戦争も辞さずということです。韓国の戦闘機がミサイルでも撃てば反撃できるでしょうが、撃ってこなければ日本の領空に易々と入り、福岡空港に着陸してきても、これを阻止できないでしょう。

画像)日本の防空識別圏 Tosaka - Made by uploader (Ref:日本航空広報部編、『航空実用ハンドブック』、朝日ソノラマ、2005年1月31日第1刷発行、ISBN 4257037059) / 出典:Wikipedia

先例もあります。

1976年9月6日、旧ソ連のミグ25戦闘機が領空侵犯し、北海道の函館空港に強行着陸しましたが、空自機はこれを阻止できませんでした。

画像)ベレンコ中尉が函館空港に強行着陸し、亡命に使ったMiG-25P(同型機)/ 出典:Wikipedia

アメリカや中国ならば、領空侵犯をした外国の飛行機に対して何度か警告をしても応じない場合は、撃墜します。これは主権国家として認められた自衛権ですが、日本だけは、この自衛権の行使に及び腰なのです。

誤解のないように申し上げておきますが、憲法九条は、領空侵犯した外国の戦闘機を撃墜することを禁じていません。領空侵犯をした外国の戦闘機を撃墜することは控えるべきだと、自主規制をしているだけです。

このため自衛隊は優秀な戦闘機を持ち、優秀なパイロットがいますが、外国の戦闘機の侵入を阻止できずにいるのです。

※本記事は、江崎道朗:著『フリーダム 国家の命運を外国に委ねるな』(展転社刊)より、一部を抜粋編集したものです。

『国家の命運を外国に委ねるな!』は次回2/25(火)更新予定です、お楽しみに。