7月15日はB.O.L.Tの日!

5月28日。

B.O.L.Tの『Early Summer Tour 2022』が開幕したとき、東京は記録的な猛暑に見舞われて、まるでこのツアーが夏を引っ張ってきてくれたような感覚になった。

7月15日。

それから、まだ1か月半しか経っていないのに、4人が日本中を巡っているあいだに梅雨は明けてしまい、紛れもなく夏が到来した。

と思っていたら、ツアーファイナルを前にして東京は戻り梅雨の様相。いや、そんな甘っちょろいものではなく、ライブ当日の午後には都心を1時間で25ミリという豪雨が襲っていた。

実際、ライブの前に打ち合わせをしていた建物から出るに出られなくなるような勢いの雨量。きっと、何年経っても「そういえばB.O.L.Tの3周年の日は、とんでもない大雨で足止めを食らって、ライブに間に合わなくなるんじゃないか、と心配になったなぁ~」と思い出すことだろう。

初日の猛暑っぷりと合わせて、2022年の初夏はB.O.L.Tと天気の記憶が深く刻みこまれた。そのB.O.L.Tが8月10日にリリースする1st EPのタイトルが『Weather』というのも、なんともできすぎた話ではないか。

この日のライブタイトルは『B.O.L.T 3rd ANNIVERSARY LIVE & Early Summer Tour 2022 FINAL』。つまり、ツアーファイナルと3周年記念ライブをまとめてやってしまおう、という趣向。普通だったら昼夜公演にして、昼がツアーファイナルで夜は3周年記念ライブといった感じで開催するところなのだろうが、今年に限っていえばそれは不可能だった。

なぜならば、2022年7月15日は平日だから、である!

平日の昼公演はさすがにお客さんも厳しい。この日の公演も夜6時スタートだったので、仕事帰りに駆けつけてギリギリセーフ、という方もいたかもしれない。そんな条件下でも、チケットは早々にソールドアウトとなったことが、いまのB.O.L.Tの勢いを象徴しているではないか。

とにかく結成日に周年ライブを、というメンバーのこだわりは揺るがない(昨年も平日開催だった)。この日もメンバーがステージで口にしていたが「世の中では平日でも、B.O.L.Tにとっては祝日!」は“けだし名言”。青山菜花が連呼していた『7月15日パワー』も、なんだか耳に残るまさにパワーワードである。

▲しっとりと凛とした表情も素敵な青山菜花

よくよく考えたら「あなたの誕生日は今年、平日だから日にちをズラしてパーティーをしましょう」といわれたら、さすがにテンションが下がる。グループにとっての誕生日を祝うんだったら、やっぱり当日のほうがいいに決まっているのだ(ここで朗報! 来年の7月15日は土曜日、そして再来年の5周年記念日は海の日! すでにお休みの日の開催が確約されています)。 

ただ、ツアーファイナルと3周年を、どうやって同居させるのかがわからない。このツアーの本編がMCなしのノンストップで敢行されることは、ここまでの公演に足を運んだ方なら知っている。

この日も9曲、イッキに駆け抜けていったが、3年間の歴史の中でも割と早い段階で発表された楽曲が多かったにも関わらず、「なつかしい」より「新しい」という印象のほうが強かったのは、まさに彼女たちの現在進行形の姿を見せつけられているからなんだろう。

特にそれを感じたのは『未完成呼吸』。昨年9月にリリースされた2ndアルバムの中の1曲なのだが、当時はまだ曲のタイトルのように未完成な部分も多かった。それがどうだ。1年も経たないうちに耳にスーッと入ってくるほど、しっかりと歌いこなせるようになっているではないか。そういう成長がわかるのもツアーファイナル、そして周年ライブの佳さ、でもある。

9曲をノンストップで歌い終わるとステージは暗転。スクリーンにはツアー、そしてリリイベのメイキング映像が流され、最後に「fin」の3文字が。これでツアーは終わりました、という意味なのだろうか? 

ちょっとした謎かけに戸惑っていると、ステージには1stEP『Weather』のアーティストビジュアルの衣装に着替えた4人の姿が。そして、スクリーンに映し出されていたB.O.L.Tのロゴも変わっていた。まさにここからがライブも4人も新境地に突入。『Weather』に収録されている全6曲を、このブロックですべて披露してみせた。

すでにツアーで歌っている楽曲もあるが、この日が正真正銘の初お披露目となる曲も。3周年のお祝いというよりも、内藤るなが絶叫した「B.O.L.T4年目も駆けあがっていくよ!」という言葉のほうがしっくりとくる。

▲4年目のB.O.L.Tも内藤るなが引っ張っていく

スクリーンには、それぞれの楽曲のテーマになっているお天気の映像が流れる。これだけで『Weather』の世界観がかなり伝わってくるし、初見の楽曲でも歌詞が染みこんでくる。振りつけもかなり印象的なものが多いので、ぜひ、この夏に開催されるリリースイベントなどで確認していただきたい。