1行でも誰かの何かの役に立ったら
倉山氏に続いて、江崎氏、渡瀬氏、中川氏よる審査講評が行われたあとは、受賞者のお二人から次のような言葉が述べられました。
岡澤亜希さん この度は貴重な賞をいただきましてありがとうございます。私の場合は、夫が倉山先生の大ファンで、本が出たときにまず「素晴らしい本が出たから読め」と言われて読んで、素晴らしい、面白い本だなと思って。
さらに、懸賞論文の応募が出た時点で「書け」と言われて、「私が書くんですか?」と思ったんですけれども(笑)。やっぱり、論文を書くという作業を通じて、すごく咀嚼して自分事に置き換えて考えたというのが、とても楽しかったですし、勉強になりました。
こういう素晴らしい研究員の先生方に読んでもらえる機会だと思ったので、全文というよりは、1行とか1パラグラフでも読んでよかったな、と思っていただけるようなものを書きたいと思って書いたので、このような賞をいただけて本当に光栄に思います。
講評されるのは正直、恥ずかしいなという気持ちが大きいんですけれども、やっぱり1パラグラフでも1行でも、誰かの何かの役に立ったらいいなと思いますので、またこういう機会があればチャレンジしたいなと思います。本日は貴重な賞をありがとうございました。
福永文子さん 私の本当に楽しい活動と“気づき”を、論文という形でまとめる機会をいただきまして本当に感謝です。活動だけでも本当に楽しかったのですが、論文を書くこと自体もとても楽しく、さらにこのような評価をいただきまして、本当に奇跡のような思いでいっぱいです。一人でも多くの方に読んでいただいて、このワクワクと楽しさ、気づきを皆さんと共有したいです。
日本におけるアーカイブの「課題」がまとめられた
大賞を受賞された岡澤亜希さんの論文は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会が「東京2020組織委員会」と称される期間限定の官民混成の公益社団法人――公的存在でありながら、公文書管理や情報公開に関する国や都のルールは及ばない、という性質も持つ組織によって運営されていた点に着目し、日本におけるアーカイブのあり方と、その課題について考察したうえで、課題解決に向けた提言をされています。
奨励賞を受賞された福永文子さんの論文は、政治家に向けて減税や規制改革を求める「減税活動」に携わってきたご自身の経験を通じて、アーカイブの重要性と現状の課題を認識するにいたる過程が、臨場感たっぷりに語られており、まさに「活動記録」として読者を引き込む内容になっています。
受賞者お二人の論文は、以下のリンク先に掲載されていますので、皆さんぜひご一読ください。
〇第一回 救国シンクタンク懸賞論文「救国のアーカイブ」
〇救国のアーカイブ懸賞論文授賞式【救国シンクタンク】[YouTube]